韓流パラダイム

レームダック迎えた文政権 最後まで残る鉄板支持層は?

堀山明子・ソウル支局長
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旧正月休み中の2021年2月11日、オンラインで市民と対話する文在寅大統領=青瓦台提供
旧正月休み中の2021年2月11日、オンラインで市民と対話する文在寅大統領=青瓦台提供

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が、昨年12月以降、40%を割る状況が続いている。残る任期は1年余。政権終盤に求心力が低下する「レームダック(死に体化)」は、任期が5年1期に限定された韓国大統領の宿命とされる。だが実は、支持率30%台への突入時期は歴代大統領の中で文氏が最も遅く、青瓦台(大統領府)周辺は支持率低下の速度を遅らせようと必死だ。国民の関心が来年3月の大統領選へ向かう中で、最後まで残る政権の支持層はどこにいるのか?

支持率下落、30代以外は不支持が上回る

 世論調査専門機関「韓国ギャラップ」が2月16~18日に行った世論調査によると、文大統領の国政運営を「よくやっている」と回答した人が39%だったのに対し、「間違っている」が50%だった。支持VS不支持を年齢別に分析すると、18~29歳は28%対52%▽30代は49%対43%▽40代は49%対48%▽50代は41%対53%▽60代以上は33%対52%――という結果だった。30代だけ支持が上回り、40代はほぼ半々、それ以外の年代層は支持しない人のほうが多い。一般的には、大統領選が近づくにつれ、与党候補も現政権と差別化を図ろうと現職批判を始めるため、支持率低下は逃れられないとされる。

 ちなみに、歴代大統領の政権末期の支持率は金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)各大統領がいずれも25%前後だった。朴槿恵(パク・クネ)大統領は12%まで落ちたところで保守系与党が分裂し、弾劾訴追が成立した。文政権は過半数を占める進歩系与党「共に民主党」に支えられ安定政権だが、政権末期に支持率が急落すれば政界再編の波が押し寄せてくる可能性はある。

 文政権が2017年5月に発足した時は81%という高支持率だった。その後比較的緩やかに落ちていき、昨年春には新型コロナウイルス対策が好評で一時60%台に回復した。最近の支持率下落は、検察当局が文政府の権力型不正を相次いで捜査し始めた影響、不動産価格の高騰、コロナ予防ワクチンの購入遅れが3大要因とされる。

 「これだけの悪材料があっても40%近くの支持率を得ているのは、何があっても最後まで支えようというコンクリート支持層がいるからです」と世論調査担当者は指摘する。

2人の大統領担いだ86世代は今

 文政権の核心的な支持基盤とはどこか。

 まず一番大きな力のある勢力は、1980年代に民主化運動に取り組んだ60年代生まれの「86世代」だ。…

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堀山明子

ソウル支局長

1967年生まれ。91年入社。静岡支局、夕刊編集部、政治部などを経て2004年4月からソウル支局特派員。北朝鮮核問題を巡る6カ国協議などを取材した。11年5月からロサンゼルス特派員。18年4月から現職。