コロナ禍での出産 誰もが安心して産める環境を

吉良よし子・参院議員
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吉良よし子氏=藤井太郎撮影
吉良よし子氏=藤井太郎撮影

 昨年11月に第2子を出産した。妊娠がわかったのは4月ごろで、新型コロナが拡大し緊急事態宣言が出されていた時期だった。不安はあった。検診で病院に行くのも緊張した。出産もちょうど、感染の再拡大が始まった時期だったので、家族の面会は禁止。孤独の中での出産になった。保健師の新生児訪問も、通常ならば保健師さんに自宅に来てもらうのだが、今回は電話でのやりとりにとどめた。予防接種に行っているが、ひとつひとつ、気を使っている状況だ。

産休中も採決できる仕組みを

 国会の欠席届の理由の中には「出産」という項目がある。具体的な期間の定めはないが、私自身は今回、労働基準法にならい、産前6週と産後8週は「産休」と宣言して休んだ。

 ただ、産休中であっても法案審議は行われ、採否が決まる。そこに参加できないというのは、非常に苦しい。場合によっては1人の賛成、反対で採否が決まることもある。産休中であっても、自分の意思を表明できるシステムがあればと思う。

 特に第1子の出産時は切迫早産となり、出産前の2カ月間入院を余儀なくされた。その間に、安全保障法制の採決があった。点滴につながれており、どうやったとしても本会議場には行けない状態だった。その中で、あの採決だ。「出産させるために票を入れたのではない」「態度を表明してほしかった」という声も届いた。私自身も非常に葛藤した。海外では代理投票制度が導入されている国もあると聞く。やり方も含めて、議論や検討が必要だと考えている。

オンライン化で負担軽減

 子供は4月から保育園に通う予定だが、1月に仕事に復帰した。現在は母が上京し、サポートしてもらっている。仕事をする上では、コロナ禍が幸いしたと思う面もある。オンラインでのやりとりが一般化したことだ。国会質問の準備や、法案の説明など、以前であれば省庁の職員が議員会館にやってきて行っていたが、オンラインでできるようになった。このため、自宅で説明を受けることも可能になった。院内集会やさまざまな会議にも、自宅から参加することができる。

 育児と仕事を両方進めていくうえで一番大変なことのひとつは、とにかく時間がないことだ。オンライン化によって、移動時間を最小限に抑え、ピンポイントで必要なところに参加できるようになった。幼い子を抱えながらも、できる活動の幅が非常に広がったと思う。オンライン化が進んだことで、妊娠出産に限らず、生活にさまざまな困難を抱えた議員も活動しやすい環境になったのではないかと思う。

 一方で、本会議や委員会での論戦や質疑は、オンラインではなく、他会派の意見を直接、真剣に聞くことが大事だと思っている。国会は「言論の府」だ。普段自分が接しない主張に直接、触れれば、その意見に対して一理あると思うこともあり得る。私自身、就活セクハラの問題を委員会で取り上げた際には、終了後「これは問題だから、なんとかしなければならないよね」と与党議員から声をかけていただいたこともある。

 しかし、本会議や委員会に出席する際、子供を預けられる体制が整っていないのが現状だ。国会の議員会館には保育所があり、一時預かりの制度もあるのだが、保育所は定員いっぱいの状態だ。一時預かりを利用しようとしても、その日にたまたま空きがない限り利用できない。…

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吉良よし子

参院議員

1982年生まれ。2013年参院初当選。日本共産党常任幹部会員、青年・学生委員会責任者。参院東京、当選2回。