「森友・加計・桜」の同一線上にある菅首相長男接待

小川淳也・元総務政務官
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小川淳也氏=須藤孝撮影
小川淳也氏=須藤孝撮影

 総務省幹部らが放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男らから接待を受けていた問題では、武田良太総務相が2月16日の衆院本会議で「放送行政がゆがめられたことは全くない」と明言した。

 ところが2月22日の衆院予算委員会では「ゆがめられた事実は確認されていない」とすり替えた。逆に言えば「ゆがめられていない」ことも確認されていない。

 そして東北新社が外資規制に違反した状態で子会社に衛星放送事業を継承していた問題が発覚し、武田総務相は3月12日に、衛星放送事業の認定を取り消す方針を表明した。

 2月16日の段階で「全くない」と断言する材料がどれほどあったのか。接待の有無についても内部調査では他にはないとした後に、「週刊文春」の報道を受けて後追いで「実はあった」ということも繰り返された。

 このぶざまさ、みっともなさも含めて、武田総務相にはすでに閣僚としての指導力に関して政治責任が発生している。大蔵省接待汚職事件では当時の三塚博蔵相が引責辞任した。官僚の「トカゲのしっぽ切り」だけではすまない。

 山田真貴子広報官をいったんは続投させた判断も驚きだった。菅義偉首相は、官房長官時代は「人を切る」ことが得意だった。不祥事などでは閣僚を即座に辞任させ、非情な対応で政権の延命に貢献してきた。ところが自分が起用した人事では目測を誤った。身内に甘かった。結果として山田氏は入院して辞職する最悪の経過になった。

家族・友人が介入

 今回の問題は、森友学園問題、加計学園問題、桜を見る会の問題と同じ線上にある。権力が長くなったことで家族や友人が権力行使の過程に介入するようになった。そのため官僚組織が家族や友人ごと、身内をひっくるめて忖度(そんたく)せざるをえない構造をもたらしている。長期権力特有の腐敗臭が漂う。行政がゆがめられているのは明らかだ。

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小川淳也

元総務政務官

1971年生まれ。94年自治省入省。2005年衆院初当選。総務政務官、地方制度調査会委員などを歴任。民進党で役員室長などを務めた。衆院比例四国、当選5回。立憲民主党。