再分配型ベーシックインカムを 適切給付のためデジタル化急げ

柿沢未途・衆院議員
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柿沢未途氏=岡本同世撮影
柿沢未途氏=岡本同世撮影

拡大し続ける格差

 新型コロナウイルス禍で厳しい生活を強いられている人が増えているのに、株式市場は株価が一時3万円を超えるなど活況が続いている。道ばたに生えている草を食べてしのぐような生活をしている人がいる一方で、余ったお金を株式に投資している人がいる。

 全く収入がなくなった人とお金を持て余している人、全くの別世界があるようだ。この拡大した格差を放置したままで果たしていいのか。

 現在、ごく少数に富が集中する傾向が強まっている。特にアマゾンやフェイスブックなどに代表されるネットのプラットフォームビジネスは、製造業に比べて圧倒的に少ない陣容で利益や影響力を保持し続けてしまう。世界の富の82%を上位1%の人が占めるといわれている。世界で最も富裕な8人が貧困層36億人分と同じ資産を持っており、その8人にはプラットフォームビジネスに携わる人も含まれる。

 経済格差が拡大する傾向は今後も続くだろう。産業ロボットや人工知能(AI)の活用が進み、2035年ごろまでに人間の仕事の49%までがAI等で代替可能になるともいわれている。雇用の減少も加わり、貧困層がますます大きくなる可能性は大きい。

 日本にはセーフティーネットとして生活保護制度があるが、取得までに大きな壁がある。「生活保護=人生の失敗」という感覚や厳しい受給審査のほか、親族に援助できるかどうかの問い合わせがいってしまう扶養照会を恐れ、申請をためらう人は多い。受給資格があるはずの低所得者の中で受給者は2割程度といわれ、セーフティーネットとして機能していないのが現状だ。

困っていない人が負担、困っている人に給付

 拡大しすぎてしまった格差を至急、是正しなければならない。そこで私は公的年金制度など既存の制度も融合させた日本版ベーシックインカムを提唱したい。

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柿沢未途

衆院議員

1971年生まれ。NHK記者、都議を経て2009年衆院選で初当選。みんなの党政調会長代理、結いの党政調会長、維新の党幹事長などを歴任。防災士の資格を持つ。無所属(会派は立憲民主党・社民・無所属)。衆院比例東京、当選4回。