行政ゆがめる接待 政府はNTT株主代表訴訟を

山添拓・参院議員、弁護士
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山添拓氏=岡本同世撮影
山添拓氏=岡本同世撮影

極めて贈収賄に近い行為

 一連の総務省接待問題は、政府の国民の信頼に対する裏切りだ。武田良太総務相や高級官僚たちは「何かを頼まれたということはない」「意見交換だ」と主張しているが、接待を受けていたのは東北新社やNTTにとって極めて重要な時期だった。

 東北新社に関しては、外資規制違反を隠すための癒着だったのではないかとの指摘があるほか、政府が衛星放送再編を進める中、BS4K事業の周波数枠を獲得するための条件を自社に有利になるように持っていこうとしていたのではないかとの疑惑がある。

 また、NTTが接待していたのは、2018年に当時官房長官だった菅義偉首相が携帯電話料金について「4割値下げする余地がある」と発言した直後や、NTTドコモの完全子会社化に向けて動いていた時期だ。

 重要な時期に特定業者から高額な接待を受けていたことは公平性を欠いており、疑念が深まるのは当然だ。極めて贈収賄に近い行為ではないか。

政策の180度転換を会食で?

 特にドコモの完全子会社化を巡り、総務省は「民間企業の経営判断としてやれる」と強調している。だが、決して勝手にやれるようなことではないだろう。

 NTTの最大の株主は発行済み株式の約3分の1以上を保有する政府であり、01年に閣議決定された規制改革推進3カ年計画には、NTTのドコモへの出資比率引き下げなどが盛り込まれている。

 これまで政府は、日本電電公社が民営化して発足したNTTの独占力を弱めるため、分割しグループ内の相互競争を促進させようとしてきた。ドコモの完全子会社化は、それを180度転換するものだ。政策変更には、検証と議論があってしかるべきだ。

 実は、携帯電話事業…

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山添拓

参院議員、弁護士

 1984年生まれ。山添拓法律事務所代表。法律事務所勤務などを経て2016年参院選で初当選。共産党参院国対副委員長などを歴任。参院東京選挙区、当選1回。