ホウキに乗って飛んでいきたい「女は口を出すな」を変える

赤松良子・元文相
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赤松良子氏=宮本明登撮影
赤松良子氏=宮本明登撮影

中枢にある「政治は男のもの」

 労働省(現厚生労働省)婦人少年局長として男女雇用均等法の制定(1985年成立、86年施行)に関わりました。役所にいた37年間のほとんどは女性の地位向上が仕事でした。その後も女性の政治参画をもっと進めなければおかしいという気持ちでやってきました。女性の政治参加を進めるWINWINの会、クオータ制を推進する会(Qの会)などで取り組んできました。

 どうして女性の政治家が増えないのでしょうか。先日の森喜朗元首相の発言に端的に表れています。日本の政治を動かしているおじさまたちは要するに「政治は男のものだ、女がそんなものに口出さん方がいいんだ」と思っているのです。

 考える前に、そういう考え方がはじめからインプットされているのです。そういう人がこの社会の中心にいらっしゃる、ということなんですよ。隅のほうにちょろちょろいるんじゃなくて、大事な中枢にそういうおじさまたちがでん、と座っている。だから難しいのです。

「おひな様」で並んでいろということか

 森さんは世の中のおじさまたちの意見を代弁したんですよ。森さんだけが特別変なわけじゃないんです。男が聞いても「なんでもない、うん、そうだ、そうだ」と思うことでも女が聞けば頭にくるということがあるっていうことなんです。女性の発言がもっと増えるように、ものを決める場所、意見を言う場所に女性が入ってほしいと思うのはそのためです。

 「わきまえておられる」という言葉も古いセンスですね。おひな様みたいにわきまえて、ああいうふうに黙って並んでいろということなんです。そういう言葉が平気で出てくる。女を軽蔑しているから、話を聞かない。女の言うことなんて聞いたってしょうがないと思っているからなんですよ。

 でも女性は国民の半分いるんですよ。聞かなくていいと思うのは間違っています。

足を踏んでいる男にはわからない

 人口は男と女とほぼ半々なのです。だから、物事を決める、意思決定の場もフィフティーフィフティーであることが望ましい姿だと思います。別にたいした理屈ではありません。決めるところは、社会の構成メンバーと同じ比率であってほしいという簡単な話なんです。

 女の意思が1割しか反映しなければ、9割の男の政策が反映するのは当然です。そのことで女性は割を食っている。それを変えようと思えば「9対1」を変えるしかありません。「5対5」にするしかありません。

 男性は足を踏まれているわけではありませんからね。足を踏んでいるんだから、男性には女性が不利になっていること自体、わかっていないのです。…

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赤松良子

元文相

 1929年生まれ。53年労働者入省。79年国連日本政府代表部公使。82年労働省婦人少年局長。84年初代労働省婦人局長。86年駐ウルグアイ大使。93~94年細川、羽田内閣で文相を務めた。現在、日本ユニセフ協会会長。政治の分野への進出をめざす女性を支援するネットワーク「WINWIN」代表。