
選択的夫婦別姓を巡って、自民党内で活発な議論となり、その過程もふくめて国民に関心を持ってみていただいた。「ユース」と言われる若い世代が集会を開いたり、橋本聖子男女共同参画担当相(当時)に伝えたりした。私自身も党青年局長として、次の世代の人たちの思いを議論に反映させることができた。
私たちは政権与党として、今ある課題と同時に、これから先、日本がどうなるかと不安に思っている若い世代の声にも応えなければいけない。若者から選択の幅を広げてほしいという声が上がっていることを重く受けとめたい。
氏への愛着を大切に
選択的夫婦別姓は若い世代だけの課題でもないし、女性だけの課題でもないし、都会だけの課題でもない。特定の場所の、特定の人の問題ではなく、あらゆる国民のなかに、選択の幅があったほうがよいと思っている人がいる。
どのような制度でも同じだが、私としては「不都合だな」「不便だな」と感じている人がいれば、それを解消するためにどうするかというシンプルな思いで向き合っている。
私自身も博士号を取得する際に学術論文を書いてきた。氏が変わった場合に業績の継続性が証明されるのかという懸念や、パスポートの表記で不安を感じるということはこれまでもよく例としてとりあげられてきた。
もちろんそうしたシステムや制度上の課題はある。しかし、それだけではなく、生まれ持った氏への愛着、大切にしたい、アイデンティティーだと思っている人もいる。これも大切な観点だ。
「鈴木理髪店」を…
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