下請けいじめ 残る昔ながらの不合理な慣行

佐藤啓・経済産業政務官
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佐藤啓氏=高橋恵子撮影
佐藤啓氏=高橋恵子撮影

 「下請けいじめ」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。「一部のブラックな企業の話」や「昔の取引慣行の話」であって、「当社は関係ない」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな「下請けいじめ」のお話をしたいと思います。

産業全体を疲弊させる下請けたたき

 私が政務官を務める経済産業省には全国に120人の「下請Gメン」がいます。毎日、全国の中小企業を訪問させていただき、発注企業との間の取引条件について現場の声をお聞かせいただいています。「○%の原価削減を受け入れないと、海外に取引を移すといわれた」「支払いは、検収が終わってから○○日後(※3ケタの数字の場合もあります)」といった生々しい声が、日々届きます。

 このような取引の何が問題なのでしょうか。日本は資本主義の国ですので、誰と、どのような内容の取引をするかは基本的には自由です。

 しかし、発注者という強い立場から、受注者に対して無理を強いることは、独占禁止法や下請け法上の問題となります。そもそも、受注者を「たたく」ことで利益を上げる方法は、一時的には利益が上がるかもしれませんが、本質的にはサプライチェーン全体を疲弊させ、産業全体の体力を消耗させます。

 そのため「取引の適正化」が大切です。しかし残念ながら、合理的な説明ができないような取引が行われている実態があります。そこで、取引の問題点を指摘し、フェアな取引ルールを産業界と共有していく「取引適正化」に取り組んでいます。いくつか具体的な事例をご紹…

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佐藤啓

経済産業政務官

1979年生まれ。2003年総務省入省。首相補佐官秘書官や同省選挙課長補佐などを経て16年参院選で初当選。参院奈良選挙区、当選1回。細田派。