福島第1原発の処理水は長期保管を

山本拓・自民党総合エネルギー戦略調査会・会長代理
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山本拓氏=手塚耕一郎撮影
山本拓氏=手塚耕一郎撮影

 東京電力福島第1原発のタンクに保管されている処理水の海洋放出には反対だ。

 東電は2019年8月に政府に提出した資料で、「22年夏ごろに貯留水タンクがいっぱいになる」と主張している。しかしそのうえで、19年12月に政府の廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議が決定したロードマップには「必要な溶接型タンク等の敷地確保を進めていくことが求められる」「今後、敷地の制約も踏まえ、必要なタンク容量を計画的に確保する」という文言が盛り込まれている。ロードマップに従ってタンクのための敷地を確保し、処理水は長期保管すべきだ。

 東電は処理水を保管すれば、「廃炉事業に必要と考えられる施設が設置できない、もしくは遅れる」と主張する。しかし、その根拠は明確でない。

 福島第1原発の敷地内には使われていない建物もたくさんある。建物の処理の計画を立て、敷地をもっと有効に利用できるはずだ。

まず汚染水を止めよ

 重要なのは、まず汚染水の発生を食い止めることだ。

 地下水の流入を防ぐための凍土壁が完成したのに、いまだ毎日140立方メートルもの汚染水が発生している。凍土壁を造った鹿島建設は、地下水の流入を防いでいるとホームページでPRしているが、東電は地下水が流入しているという。

 私は自民党の資源・エネルギー戦略調査会長を長年務めたが、凍土壁に予算をつけた際には、賛成・反対、いろいろな意見があった。私は山側に遮水板を造る案を主張したが却下された。凍土壁を造るのに国費約345億円を投じ、維持するのに年間数億円がかかっている。

 汚染水が止まるのならと思っていたが、完成してもまだ水が漏れているのなら話が違う。いったいどういうことなのか。東電はきちんと説明してほしい。

 雨水の流入も指摘されている。しかし、1号機の建屋に屋根カバーをかけ、周囲のがれきも撤去して地面を舗装すれば、雨水の浸透は防げるはずだ。

 22年夏にタンクがいっぱいになるという東電の主張は、毎日150立方メートルの汚染水が発生するというのが前提だ。ゼロにするのは難しいかもしれないが、ゼロに近づけることはできるはず…

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山本拓

自民党総合エネルギー戦略調査会・会長代理

1952年生まれ。福井県議などを経て、90年衆院初当選。副農相、衆院拉致特別委員長などを務めた。衆院比例北陸信越。当選8回。自民党二階派。