日本共産党と中国

佐藤優・作家・元外務省主任分析官
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佐藤優氏=久保玲撮影
佐藤優氏=久保玲撮影

 日本共産党が、中国批判を強めている。

 <日本共産党の志位和夫委員長は1日の会見で、中国による香港やウイグルでの人権侵害について、「この問題に対応するときに一番大事なのは『国際法を守れ』ときちんと論を立てて言うことだ」と強調しました。/志位氏は、中国が人権問題への批判に対し「内政干渉だ」と反論していることに触れ、「世界人権宣言、国際人権規約、ウィーン宣言という一連の国際的な人権保障の取り決めがあり、中国は全部に賛成している。賛成した以上、順守する国際的な義務がある」と指摘。「『国際法に反する行動だ』という中国への批判が世界的に弱い。日本政府がそういう批判をしたのを見たことがない」と述べました。/さらに、「米国にも弱点がある。米国は自らの外交政策に合致する場合のみ、国連の人権システムに従うということを原則にしている。米国の利益に合う場合には人権問題を言うが、そうでない場合は言わないというダブルスタンダード(二重基準)が立場を弱くしている」と指摘。「国際的な人権保障の取り決めに則して批判することが何よりも大事だ」と語りました>(4月2日「しんぶん赤旗」)

 かつてのソ連は、過渡期国際法という独自の国際法概念を主張していた。すべての国に通用する一般国際法の存在を認めず、既存の国際法の中で反動的な内容と進歩的内容を区別し、資本主義国(植民地を含む)で通用する国際法のほか、社会主義国と資本主義国の間を規律する世界革命達成までの過渡期国際法が併存するという見方だ。

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佐藤優

作家・元外務省主任分析官

 1960年生まれ。同志社大大学院博士前期課程修了。神学修士。外務省入省後、モスクワの日本大使館に勤務。著書に「自壊する帝国」「私のマルクス」など。