こども庁は時代の要請「チルドレン・ファースト」の好機に

自見英子・参院議員
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自見英子氏=岡本同世撮影
自見英子氏=岡本同世撮影

切実な国民の声

 自民党は4月、菅義偉首相(党総裁)の直轄機関として党内に「『こども・若者』輝く未来創造本部」を新設し、子どもに関する政府の政策を一元的に担う「こども庁」の創設に向けて議論を始めた。

 子どもに関する政策は文部科学省、厚生労働省など多くの省庁がかかわる。これまで子ども政策を取りまとめる部署の必要性や権限が強調されながらも、省庁の壁に阻まれてきた。

 総裁の直轄機関は重く、省庁の縦割りを打破し、子どものための政策を議論する環境ができたと歓迎したい。

 こども庁の創設は、若手議員の仲間と共に発足させた「Children First の子ども行政のあり方勉強会」で議論を積み上げ、菅首相に提言したものだ。勉強会の呼びかけ人は、あえて衆院議員は4期生以下、参院議員は2期生以下の若手のみにした。

 キャリアのある議員を中心に据えると、「文科族」「厚労族」などと色分けされ、子どもたちのためという趣旨から離れてしまう懸念があったからだ。

 子育て世代に近い若手中心にしたことで、実際に苦労している国民の声を多く聞くことができた。

 「大学の学費を安くしてほしい。教育ローンを払い終えるころには妊娠適齢期を過ぎてしまう」「育児が苦しく、子どもを虐待してしまいそうな毎日」「働きたくても働けない。それで子どものいじめの原因になり無限ループ」「双子を産んだのに産後ケアを受けることを実際に断られました。(中略)産後うつになりかけました」「親になるのに必要な知識を得る機会があまりになかった」「予期せぬ妊娠や不妊治療の苦労から子どもたちには同じ思いをさせたくない。性教育をしっかりしてほしい」

 ネットを通じたアンケートを実施すると、予想していた5000件程度をはるかに上回る4万8000件のさまざまな切実な思いや意見がたった2週間で寄せられた。

 多数のコメントに目を通している最中に、こども庁の議論は時代の差し迫った要請でもあると直感的に思った。

 これは無視できない国民の声だ。コロナ禍で、女性や子どもの自殺も増えている。子どもを安心して産み育てられる、妊娠期からの切れ目のない支援により子どもが幸せに暮らせる環境作りは、今まさに待ったなしで取り組むべきである。

「医療」「教育」「療育」「福祉」を一つのテーブルに

 子どもに関する政策は、医療、教育、療育、福祉を一つのテーブルに載せて考えなければならない。今まではパーツ、パーツで施策が講じられて来た…

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自見英子

参院議員

1976年生まれ。小児科医を経て、2016年参院初当選。日本医師連盟参与。参院比例代表、当選1回。自民党。