入国管理の徹底か勇気ある撤退か 五輪の可能性を自ら狭めた菅政権

泉健太・立憲民主党政調会長
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泉健太氏=岡本同世撮影
泉健太氏=岡本同世撮影

国民の命と健康との両立は可能か

 東京オリンピック・パラリンピックは世界的なスポーツの祭典であり、日本を発信するチャンスでもある。しかし、開催に関連して感染が広がれば、国民生活に大きな打撃を与え、五輪中止以上の経済損失を発生させる可能性もある。

 国民の命と健康との両立が可能ならば開催できるのだろうが、現時点では中止すべきだと考える。

 両立は可能なのか――可能性はゼロではないが、リバウンドが起きない水準まで感染者数を減らし、重症者病床など医療の逼迫(ひっぱく)を無くす、そして大会運営については、入国人数の縮小、選手・関係者の行動管理、無観客化、さらには国内全体の人流抑制とワクチン接種の加速化などが開催の前提となる。国民の命や生活、事業を犠牲にしてはならない。

 例えば、東京都の1日の感染者数を100人以下に抑え込むことができれば、保健所や医療の負担が軽減され、感染ルートの追跡もしやすくなる。

 接種の速度が遅いとはいえ、ワクチンの効果も徐々にではあるが出てくる。猛威を振るう変異株の感染力を従来株の2倍と想定しても、年内に再宣言をする必要がないというぐらいにまで抑え込めば、経済も回復させられるのではないか。

覚悟が必要

 ただ、変異株は全国一斉に同じ傾向を示すのではなく、大阪府や沖縄県で一気に感染が拡大したように、他の地域で抑え込めたとしても、局地的に感染爆発が起こり、医療崩壊を招く可能性がある。

 政府はこれまで以上に感染拡大防止策を断行していかなければならないだろう。安易に緊急事態宣言を終わらせず、対策を緩めずに抑え込むことが必要だ。

 各報道機関の世論調査では、中止すべきだという意見が多数を占めている。国民に五輪開催に強い不信感、不安感があるのは、現在の状況下では当然だ。

 もし開催した場合も、参加する選手に十分な医療を提供できなければ、選手の健康や競技人生を左右することにもなりかねないし、開催国の信用問題、国際問題にもなる。国家としての評価を大きく落としてしまう。

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泉健太

立憲民主党政調会長

1974年生まれ。2003年衆院初当選。内閣府政務官、国民民主党政調会長などを歴任。衆院京都3区、当選7回。立憲民主党。