東京五輪 開ける条件はない ゼロベースの議論が必要だ

畑野君枝・衆院議員
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畑野君枝氏=宮本明登撮影
畑野君枝氏=宮本明登撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大は危機的な状況だ。医療も逼迫(ひっぱく)し、自宅療養中に亡くなる例も相次いでいる。東京都医師会の尾崎治夫会長は、東京オリンピック・パラリンピックを安全に開催するには都内の新規感染者数を1日100人以下にすることが前提条件だと語っている。

 ワクチン接種の医師、看護師が必要ななかで、五輪の医療体制を組めるのか。政府は五輪について「1万人の医療体制」を3割削減と言っているが、それでも多い。さらに都内10カ所(内諾9カ所)、その他20カ所の指定病院も必要だ。

 私は、今年3月に国会で丸川珠代五輪担当相に質問をした時に「もう医療分野から見たら無理なんですよ。中止を含めて検討した方がいい」と言った。丸川氏も「地域医療に負担をかけないというのは本当に重要なこと」と答えざるを得なかった。

 五輪は選手以外にも世界中から人が来るイベントだ。日本だけではなく世界中で集団免疫ができている状態になっていなければ移動自体が危険だ。コロナ収束の見通しが立たないままでは、五輪を開ける条件はない。

選手にとっても

 選手は五輪を目指して苦しい練習を重ね、試合を勝ち抜いてきた。出場したいのは当然だ。選手にも葛藤があると思う。選手に対してネット上で中傷がされたりしているが、許されないことだ。

 ただ社会の支持がなければ五輪は成り立たない。今は世界と日本がコロナと闘って命と健康を守ることが最優先であることも確かだ。開催を強行すれば五輪に対する反感を生むことになりかねず、それは選手にとっても不幸だ。五輪招致の際は国民の支持が大前提だったはずだ。

 海外でも感染は収まっていない。状況によっては予選もできない、練習もできない、参加できるかどうか分からない国も多い。フェアな条件での五輪にならない可能性がある。

 ワクチン接種をためらう選手もいるかもしれないし、接種してから抗体ができるまで時間もかかる。パフォーマンスのためには体調も整えなければならない。モチベーションを維持するのも大変だ。そのためにも早く決断して…

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畑野君枝

衆院議員

 1957年生まれ。中学校教諭を経て、98年参院初当選、2014年衆院初当選。党中央委員、党スポーツ委員会責任者。参院当選1回、衆院当選2回。比例南関東。共産党。