Social Good Opinion

自分の得意を掛け算!ポジティブに考える伝える環境問題

神野伶菜・フリーランス
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神野伶菜さん=筆者提供
神野伶菜さん=筆者提供

日本の環境問題に対する意識

 今日もテレビをつければ「脱炭素」という言葉、街中を歩けばSDGs(持続可能な開発目標)のアイコン、普段利用するカフェではプラスチックのストローが竹ストローに変わり、スーパーへはマイバッグ持参が当たり前……。ここ数年で日本でも急速に環境問題への施策が打ち出され、私たちの生活に取り入れられました。

 このような取り組みの背景には、言うまでもなく年々深刻化する環境問題があります。18世紀後半に起こった産業革命以降、世界の平均気温は約1度上昇。そして、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」では、「産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満、できれば1.5度に抑える」ことを目標としていますが、現在のスピードでは達成は厳しいのです。

 そして、日本人は周囲に合わせて行動をする人が多い国です。菅政権は、国内の温暖化ガスの排出を2050年までに実質ゼロとする方針を掲げましたが、外圧によって動いたとも言われています。<温暖化 なぜ日本世論は盛り上がらないのか 気候変動の専門家と考える>https://mainichi.jp/articles/20210109/k00/00m/040/060000c

 日本において、環境問題を語る人は「意識高い系」と思われがちですが、他国では環境問題の話題は日常会話です。これは私自身の海外経験より感じました。

 大量生産・大量消費、次から次へと便利な生活を追い求めた人間の活動、つまりは人間の欲が生み出してしまったのが環境問題です。この問題を引き起こしたのは人間です。現状を変えることができるのも、もちろん人間です。国民一人一人が意識高く地球環境について考えるべき時代なのです。

お気に入りの折り畳みタンブラー“stojo“は常に持ち歩いている(筆者提供)
お気に入りの折り畳みタンブラー“stojo“は常に持ち歩いている(筆者提供)

日々の暮らしの余裕が当事者意識につながる

 しかし、いくらレジ袋を有料化しても、竹や紙のストローが増えても、我々が環境問題の当事者意識を持たなければ何も変わりません。

 昨年社会人になり過ごした1年間、私は日本の過重労働の現状を目の当たりにしました。忙しいが故に利便性を求め、環境の悪化に知らず知らずのうちに加担している。多忙な生活が当事者意識を遠ざけてしまっていると感じました。

 一概には言えませんが、現代の日本人には日々の生活に余裕を持ち、自分の心を満たすことが必要であると考えます。そうすることで、徐々に外に目を向けられ、環境問題を自分のこととして捉えられる余裕が生まれるのではないでしょうか。

恵まれた国「日本」で生まれた意味について

 私が環境問題に興味を抱いたのは10歳のころ、テレビの特集を見て、自分が大人になって地球上で生きていられるのか?と恐怖心を抱いたことがきっかけでした。以来、ずっと環境問題をなんとかしたいという思いがあり続けています。

 高校1年生の夏、学校のボランティア研修プログラムに参加し、向かった先はベトナムでした。物心ついてから初めての海外、空港に到着して最初に感じたのは「空気が汚い」ということ。その後1週間の滞在を経て、いかに日本が安全な国であるかを身をもって実感しました。研修の最終日、引率の先生が次の言葉をおっしゃったのを今でも覚えています。「恵まれた国で生まれた私たち日本人だからこそ世界を変えることができる」。すぐにメモ帳を開き、地球環境を守るために私は立ち向かうのだと決意しました。

2013年当時のベトナムの街並み=筆者撮影
2013年当時のベトナムの街並み=筆者撮影

 その後、研修や旅行でさまざまな国を訪れる機会があり、その度に環境問題に対する取り組みを日本と比較し、日本は当事者意識が低いことが問題だと思うようになりました。

 大学3年生でミスなでしこ日本2018に出場した際、SNSでの情報発信を経験し、より多くの方々に当事者意識を持ってもらうきっかけを作れるのではと考え、環境問題や、人と地球に優しいエシカルな暮らし方の発信を始めました。

ミスなでしこ日本2018ベスト8に選出され、自然と共生することの大切さをスピーチした=筆者提供
ミスなでしこ日本2018ベスト8に選出され、自然と共生することの大切さをスピーチした=筆者提供

自分の得意とエシカルを掛け算

 今や情報収集をする手段になっている人気のSNS、インスタグラム。既に同じような情報発信をしている人がいる中で、私にしかできない発信とは何かと考え、ひらめいたことが、得意な「歌」と「エシカルな暮らし」の二つを掛け算することでした。

 エシカルとは、直訳では「倫理的な」という意味です。何事にも愛や思いやりを持つ、そんな心持ちのことを私はエシカル・マインドと呼んでいます。エシカル・マインドを大切に生きていると自分の心が満たされ、環境問題に対しての取り組みが義務感ではなく、やっていて気持ちの良いものに変わりました。

 一方、音楽には人々の心に愛や感動を届ける力があります。その力を通して自分に優しくなれる。自分に優しくなれると、地球環境にも優しくなり、エシカルな暮らしの実践につながると考えます。

楽しくポジティブに環境問題と向き合う

 「環境問題への取り組み」と聞くと堅いイメージですが、「エシカルな暮らし」は優しく明るいイメージを持てます。言葉は違いますが、どちらも最終目的は地球に優しく生きることです。

 人は何事も、楽しそう! 面白そう!といったポジティブな考えから興味が湧くものです。私が日々の発信で大切にしているのは、常にポジティブであることです。2年ほど発信を続けている今では、意識せずとも自然にそうなっていると感じます。

筆者が携わっているヴィーガンクッキー Myrtle by ovgo。「環境に優しい」を前面に押し出さず、可愛い!おしゃれ!といったポジティブな側面から広めたいと考えている。=筆者撮影
筆者が携わっているヴィーガンクッキー Myrtle by ovgo。「環境に優しい」を前面に押し出さず、可愛い!おしゃれ!といったポジティブな側面から広めたいと考えている。=筆者撮影

 今後、さらに環境問題に当事者意識を持つ人が増え、同時にエシカルで愛あふれる世の中になることを願います。

 「Social Good Opinion」の<インスタグラムアカウント>を開設しました。そちらも合わせてご覧ください。

神野伶菜

フリーランス

 1997年生まれ。ミスなでしこ日本2018 ベスト8、第1回ミスミライ全国大会に出場中。立命館大学理工学部卒。新卒で大手不動産企業に就職したが、自分の生き方を見つめ直し2年目よりフリーランスへ。10歳で環境問題に危機感を抱き、現在は衣食住を通したエシカルな暮らしと音楽を軸に活動。また、自身の経験より、自分らしい生き方についても発信中。