逢坂誠二の「耕雲種月」

結論ありきの五輪開催 「穴だらけ」の感染防止対策

逢坂誠二・衆院議員
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逢坂誠二氏=須藤孝撮影
逢坂誠二氏=須藤孝撮影

 一番問題なのは、これほど感染拡大の兆候が出ているなかで、東京オリンピック・パラリンピックにどう臨むかという政府の基本姿勢が見えないことだ。主権国家として国民の命を守るのは政府の役割だ。その基本姿勢がはっきりしないことが国民に不安を与えている。

「スポンサー」に忖度する政府

 無観客にする選択肢も当然必要だ。その場合は「状況が変化したから関係者が集まって協議をする」という対応では機を失する可能性がある。今のうちから基準を決めておき、基準を超えたら自動的に無観客にする、あるいは中止するという対応をすべきだ。

 また、丸川珠代五輪担当相が会場での酒類提供をめぐって「ステークホルダー(利害関係者)」という言葉を使った。全く理解できない。スポンサーへの配慮ならば、そう言うべきだ。わかりにくいあいまいな言葉でその場をしのごうとした。説明責任を果たす姿勢が全くない。

 しかも、企業側は会場での酒類提供は求めないとはっきり言っている。五輪を巡って、政治の側がスポンサーに一方的に忖度(そんたく)しすぎるほど忖度していて、そのためにきちんとした事実や論拠に基づいた判断ができなくなっている、冷静に状況を見ることができなくなっていることの象徴ではないか。

重要なのは水際対策

 入国前の対策は国によって異なり、信頼性は同一ではない。だから開催国の水際対策の徹底が重要になる。

 たとえばテニスの4大大会、全豪オープンでは、陽性者が発見されたらその航空機の乗客全員が2週間、隔離された。ところが日本の場合、陽性者が見つかっても濃厚接触者の確認もせずに国内に入れた例があった。検査で陰性であったとしても、一定期間は空港周辺などで隔離する必要がある。そのまま各地の合宿地などに行ってしまうと、人との接触が増え、感染を拡大させる危険がある。

 入国した選手や関係者らについて、外部との接触を遮断する「バブル方式」も機能しておらず、穴だらけだ。…

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逢坂誠二

衆院議員

1959年生まれ。北海道ニセコ町長を経て、2005年衆院初当選。総務政務官、首相補佐官、立憲民主党政調会長などを歴任。衆院北海道8区、当選4回。立憲民主党。ニセコ町長時代に全国初の自治基本条例となった「ニセコ町まちづくり基本条例」を制定。地方自治のエキスパートとして知られる。