空港と選手村でわかった 五輪「バブル方式」は機能していない

山井和則・元厚生労働政務官
山井和則氏=須藤孝撮影
山井和則氏=須藤孝撮影

 立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党の「東京オリンピック総点検野党合同チーム」の座長として、羽田空港、成田空港や選手村(東京都中央区晴海)を視察した。

 入国した選手らは、外部との接触が遮断される「バブル方式」で行動することになっているが、極めて問題が多い。

検査で陽性が出ても選手村に

 水際対策の基本は隔離だ。2週間隔離するのが原則だが、選手は特例として隔離措置が免除される。その代わりがバブル方式だ。

 しかし、検査時に陰性でも、実際には感染していてその後陽性になるケースはある。一定期間の隔離が必要とされるのはそのためだ。今回の特例では空港の検査で陰性となって選手村に入ってしまえば、食堂は1000人規模、ジムは数百人規模だという。一歩間違うと大規模なクラスターが発生しかねない。

 それだけではない。大会組織委員会によると、空港の検査結果で陽性が出た人もいったんは選手村に移動してPCR検査を受ける。そこで再び陽性となれば選手村から出すというが、選手村に入れるべきではない。

 空港の検査で陽性者が出た場合、航空機内で周辺にいた濃厚接触者となる疑いがある人たちも、選手村で隔離するという。選手村の中に検査で陽性になった人や濃厚接触者を入れたら、バブルのなかで感染が拡大しかね…

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元厚生労働政務官

1962年生まれ。2000年衆院初当選。民主党国対委員長、民進党国対委員長などを歴任。衆院京都6区、当選8回。立憲民主党。