感染症対策の基礎「検査」を忘れたデータなきコロナ対策

阿部知子・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
阿部知子氏=幾島健太郎撮影
阿部知子氏=幾島健太郎撮影

 感染症はなによりもまず検査が重要だ。検査、隔離、診断、治療、この4層体制が最初からつながっていないことが日本の新型コロナウイルス対応の最大の失敗だ。

無症状者をふまえた検査体制がない

 ダイヤモンド・プリンセス号の問題で、陽性になっても全く症状が出ない人が一定程度いることが明らかになった。インフルエンザなどで経験してきたこれまでの常識を変えるものだった。ところが、無症状者の存在をふまえた検査体制はその後も全く取られなかった。

 医療には「エビデンス・ベースド・メディスン」という言葉がある。証拠(データ)に基づいた医療という意味だ。ところが現在の政府のコロナ対策には、基礎となるデータが全く不十分だ。無症状者の把握も含めた広範な社会的検査をすることではじめて、対策の基礎となるデータが得られる。

 緊急事態宣言などで人の行動を縛ることにばかり意識が向き、感染症を扱う基礎が作られなかった。緊急事態宣言からワクチン接種にいたるまで、現状を把握する検査、つまりデータが無いままに政策を組み立てているため、感染が拡大するまで方針を決められない。対策を取っても、国民に理由を説明できず、国民と対話ができない。だからすべて後手後手になり、混乱する。

感染症の研究体制が…

この記事は有料記事です。

残り1376文字(全文1892文字)

阿部知子

衆院議員

1948年生まれ。2000年衆院初当選。超党派議連「原発ゼロの会」事務局長、「立憲フォーラム」副代表。小児科医。衆院神奈川12区、当選7回。立憲民主党。