
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、東京オリンピック開会式に合わせた訪日を見送った。五輪という儀礼的な場を活用した首脳会談さえ開けないほど相互不信が深いことを、内外に示してしまった。文氏の任期は2022年5月までで、残り1年を切っている。任期中に日本への公式訪問が実現する可能性は極めて低くなった。
日中韓首脳会談など多国間会議を除く、2国間訪問としての韓国大統領の来日は11年12月の李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)を最後に途絶えている。国賓としての来日となると、03年6月の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(同)までさかのぼらなければならない。20年近くの間、両政府の関係は希薄になる一方だった。
これに反比例するように、韓国文化は日本で広く親しまれるようになった。その代表格である韓国ドラマの視聴者層は、今や男女や世代を問わない。
日本のある元ベテラン外交官も、最近韓国ドラマの魅力に取りつかれた一人だ。「愛の不時着」や、政界を舞台にしたドラマなど、多様なジャンルの作品を楽しんでいるそうだ。
韓国にも知己の多い元外交官であるが、ドラマの一場面を見て、慰安婦問題の解決がなぜ難しいのか、わけがようやく分かったという。…
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