産休を取れない議員 地方議会から変える

永野裕子・豊島区議
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永野裕子氏=須藤孝撮影
永野裕子氏=須藤孝撮影

地方議会から女性を増やす

 女性の政治参加や、女性議員を増やすことについては国会議員を中心に語られがちだ。しかし、議員になろうとする女性が少ないのは、経験がないうえに近くにロールモデル(模範)がないからだ。だからより身近な地方議会から女性議員を増やす必要がある。

 女性議員を増やさなければならない理由として、よく子育てや介護など生活に根ざした政策の必要性があげられる。ならば、当事者との距離が近い地方議会でこそ、女性を増やさなければならない。

 PTAや町内会など地域の活動では多くの女性が頑張っている。しかし会長は男性であったりする。女性が声を吸い上げられる対象としてだけではなく、地域で中心になり、その先を政治に参加する状況にすることが、確実な女性議員増加につながる。

家庭を犠牲にしなければ議員失格か

 2003年に東京・豊島区議に初当選した当時は、議員は早朝から深夜まで頑張るのが当然という雰囲気だった。24時間戦えますかという踏み絵を踏まされる。家庭や私生活を全部犠牲にする前提で成り立っている。それができなければ議員失格であるかのような価値観がある。

 男性は家庭を女性に任せて、家庭のことは考えないで済むような環境で立候補する。その意味で男性議員は「ゲタをはいている」。性別役割分担意識は、日本社会のなかでも地方議会にもっとも根強く残っているのではないか。

 私が初当選したころには「保育園などいらない」と豪語する男性議員がいた。男性に限らず、女性にも病児保育なども不要だという議員がいた。議会の意識改革は本当に遅い。社会とズレがある。

産休を非難される議員

 そうしたなかでは、議員が産前・産後休業を取ろうとすると非難され…

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永野裕子

豊島区議

1972年生まれ。行政書士を経て、2003年東京・豊島区議に初当選し、連続5期当選。08年に豊島区議会で初めて在職中に出産した。「出産議員ネットワーク」発起人・代表世話人。