ネットの誹謗中傷 一人で抱え込ませない

宮崎政久・衆院議員
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宮崎政久氏=須藤孝撮影
宮崎政久氏=須藤孝撮影

 社会の変化に応じて、人がもともと持っている良き面と同時に悪(あ)しき面が表に出てくるようになった。SNSなどが一般化する一方で、ネットの拡散力の大きさ自体に対しては、まだネットユーザーのなかで理解が十分育っていない。

守るべきものは同じ

 よく「ネット・リテラシー」と言われたり、「デジタル・ネーティブ」と言われたりするが、時代の変化はあっても守るべきものは実はそれほど変わっていない。つまりは「人を傷つけてはいけない」「人に言う時には心して言葉にしなさい」などということだ。昔から言われていたことだ。

 だが、媒体のスピードがあまりにも速い。口づて、人づて、親子のつながり、近所のつながりのなかで、緩やかに伝わっていたものが、今は一瞬で伝わる。そのことに、政治も含めて大人の社会が十分に対応できていない。

 このような場合に大人がするべきことは昔から同じだ。「1人で抱え込まなくていい」ということをきちんと伝え、理解し、相談する体制を作ることだ。これが助けるための一番大切な入り口だ。

 ただ、行政の相談窓口は、いくつもの省庁に同じような窓口があるなど「お役所仕事」の典型として指摘される。一つの窓口で対応できるような「ワンストップ」の仕組みを作ることも必要だ。そのうえで知らない人よりも知っている人の方が相談しやすいのだから、学校に常駐の相談員やソーシャルワーカーを増やすことも必要だ。より本質的に言えば、こういうことを起こさないためのリテラシー教育も大切だ。

時代に合わせて法定刑の引き上げを

 現在の法体系では、ネット上の誹謗(ひぼう)中傷に対応するものは侮辱罪になる。法定刑が科料(1万円未満)で、時効も1年だ。明治時代に作られた刑法で、相手の目の前で「バカ」と言ったというようなことが想定されている。その場限りの話であることが前提だ。

 しかし、ネット上の誹謗中傷は、ずっと残り続け、相手を傷つける力も非常に大きい。自死に至るような事件も起きている。…

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宮崎政久

衆院議員

1965年生まれ。弁護士を経て2012年衆院初当選。法務政務官などを歴任。自民党経済産業部会長代理。衆院比例九州、当選3回。自民党竹下派