英語で教える大学に芽生える新しいコスモ 国際社会の将来が見える?

横江公美・東洋大学国際学部教授
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横江公美氏=吉田航太撮影
横江公美氏=吉田航太撮影

 世の中は変わらざるを得ない。

 英語で講義をし、留学生を広く受け入れているグローバルイノベーション学科で学生たちと会話すると、その流れの速さを痛感する。彼らと話をしないと時代を見逃してしまうのではないかと不安になるほどの勢いがある。

人の痛みに敏感な世代

 最近、一番驚いたのはある学生のコメントだ。「人生に音楽は必要だ。I cannot live without music」という学生に対して、私が「それを証明するためには何をするのか?」と返したところ、ヨーロッパからオンライン参加する学生が「その前提は受け入れられない」と声をあげた。理由は「耳が聞こえない人もいる」から「その言い方は失礼だ」と言う。

 「言われてみればその通りだ」と思うと同時に、その視点に気がつかなかった自分を振り返らざるを得なかった。

 SDGs(持続可能な開発目標)が世界の潮流になる今、このような視点はこれからますます重要になっていくのだろう。ミレニアル世代とその次のZ世代は、今までの世代と断絶するかのように人の痛みに敏感だ。

 戦後、日本は国や会社を強くすることに必死になってきた。我慢と精神論に価値を置いてきた。しかし、ミレニアル世代では「痛みがない」ことが重視される。人種問題、女性問題、LGBTQなど性的少数者の問題、人身売買問題、労働条件の問題など、マイノリティーに対する不合理から生じる痛みは解決されなければならないと考える。

 これまでは「誰もがそう思っている」とか「多くの人がそう思っている」という言葉が普通に使われてきたが、これからは場合によってはそれが「マイノリティーの気持ちを考えない」と思われる言葉になってしまうのだ。

「日本だけの常識」は通じない…

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横江公美

東洋大学国際学部教授

 1965年生まれ。VOTEジャパン(株)社長、米国のシンクタンク「ヘリテージ財団」上級研究員を経て、17年より現職。著書に「隠れトランプのアメリカ」「日本にオバマは生まれるか」「アメリカのシンクタンク」など。