自宅療養 患者を切り捨てる現実離れした政府方針

阿部知子・衆院議員
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阿部知子氏=幾島健太郎撮影
阿部知子氏=幾島健太郎撮影

 政府が入院対象者を重症患者や特に重症化リスクの高い人に絞り込み、入院しない人を原則自宅療養とすることを可能とする方針を発表した。

 国会議員であると同時に医師として、あまりにも唐突な方針転換に怒りを覚えている。

 この方針を決めた政府の新型コロナ対策本部はこれまでの医療現場や感染症対策の積み上げを全く無視している。「感染者数が増えたから、受け皿がないから、では入院させないでおこう」という対症療法であり、かつ患者の切り捨てだ。

陽性になっても連絡が来ない現実

 医療体制を崩壊させないことを理由にしているが、感染しても診察を受けることもできず死んでいくことこそが医療崩壊だ。政府の考え方には誰の目からみた医療崩壊なのかが全く抜け落ちている。

 今、国民が感じている医療崩壊は、入院できないどころか、PCR検査で陽性になっても待てど暮らせど保健所から連絡が来ないという現実だ。私が相談を受けた男性は、金曜日に発熱して翌日、近くのクリニックで検査を受け、陽性の結果が出たにもかかわらず、月曜日になっても保健所からはなんの連絡も来ない。高熱になって、不安になり保健所に連絡したところ、「まだ2日前の分を処理しているので、あなたのところに連絡が行くのはあと2日かかる」と言われたという。

「重症化の兆し」は自己申…

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阿部知子

衆院議員

1948年生まれ。2000年衆院初当選。超党派議連「原発ゼロの会」事務局長、「立憲フォーラム」副代表。小児科医。衆院神奈川12区、当選7回。立憲民主党。