Social Good Opinion

西成区の魅力を発信する 社会問題とともに生きるZ世代のこれから

原田瑞穂・株式会社Plala代表取締役
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原田瑞穂さん=筆者提供
原田瑞穂さん=筆者提供

社会課題に関心がなかった私

 初めまして、原田瑞穂です。いきなりですが、私は高校3年生になるまで社会課題などに全く関心がありませんでした。中学のころは、偏差値43で勉強をする意味や理由を見いだせず、遊んでばかりの日々を過ごしていました。私の生まれ育った大阪市西成区は、シングルマザー、外国人労働者など社会的に排除されている人々や社会的弱者と呼ばれる人々が多く、路上生活者のおっちゃんたちと話したりすることが当たり前の環境でした。

 さらに、地域の子供たちは、学習に対する意欲が低い傾向にあり、周囲の友達も勉強をする子たちが少ない環境で育ったため、社会的な活動や大学進学は自分自身と程遠い存在でした。そのため、今私が「環境」や「貧困」をテーマに社会の活動をしているなんて、誰も想像できないくらいだったと思います。

 今回は、そんな私が社会課題と向き合い、共に生きる社会を作りたいと思うようになったこと、そして、現在本気で取り組んでいる活動について執筆させていただきます。

西成区って?

 私が社会課題に関心を持ったきっかけは、高校1年生のころに「西成区って危ないところだよね」と友達に言われたことでした。自己紹介をするたびに、「治安が悪い」「住めない」などイメージが悪いことが多く、3年間ほど西成区出身であることを隠していた時期がありました。出身地を言いづらい世の中に違和感と疑問を抱くようになった私は、次第に地元の魅力を発信したいと感じるようになりました。

 ただ、西成区のことを伝えていく中で、西成区の負のイメージがあまりにも根深いということと、それがゆえに西成区に対する固定概念や偏見が払拭(ふっしょく)されづらいということに気づきました。そんな中でも、まずは自分にできることから始めるようになり、映像やSNSを通して西成区の魅力発信をするようになりました。

自分とはかけ離れていたSDGsとの出合い

 社会課題に関心を持ち、学ぶことが好きになっていく中で、「誰一人取り残さない」を理念に掲げたSDGs(国連の持続可能な開発目標)に出合いました。当時、西成区出身であることを言えなかった私は、どこか社会から排除され、取り残されているように感じていたため、とても心に残った言葉だったと思います。

 そして、SDGsの学びが深まるにつれて、個人単位のSDGsアクションや選択が身近になっていないことに気づきました。社会課題と共に生きていかなければならない私たちにとって、社会課題が日常生活に溶け込む仕掛け作りが必要になるのではないのかと感じ、人々の生活に根ざした「今日からできるSDGs」ダイアリーを制作・自費出版することを決意しました。

まずは自分にできることから

 もちろん、昔から活発に行動したり、自発的に活動をしたりしていたわけではありません。私自身、関西学院大学社会起業学科に入学するまでは、行動や発信する勇気が全くありませんでした。何から始めていいかもわかりませんでしたが、身の回りの違和感に対して素直になり、無理のない範囲から行動してみることで、新たな自分や価値に触れることができました。それもまた、活動の醍醐味(だいごみ)の一つだと感じています。

 社会課題と生きていくことが当たり前になる社会を生き抜くZ世代にとって、今の当たり前を変えるのはそう簡単なことではないと思います。ただ、従来の当たり前を変えることができるのも、Z世代の若者たちではないのかなと感じています。そんな私たちだからこそ、新たな時代を切り開いていける。そう信じて、社会課題とともに生きる社会の実現に向けて行動していきます。

 まずはささいなことから。

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原田瑞穂

株式会社Plala代表取締役

2000年大阪市西成区生まれ。中学時代は、偏差値43で勉強する意味や理由がわからなかったが、「海外留学」という目標を見つけて以降、学ぶことの楽しさを知る。高校1年生のころに、地元である西成区の魅力を発信するメディア制作を始めた。現在は関西学院大学社会起業学科に所属しながら、株式会社Plalaを設立し、「今日からできるSDGs」をテーマにしたスケジュール帳の制作・自費出版や、中・高・大学での授業、企業に対するSDGs研修、イベントを開催し、SDGsの行動促進を行なっている。