新型コロナ

苦境にある「街の酒屋さん」 新しいルールで支援したい

田中和徳・前復興相
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田中和徳氏=須藤孝撮影
田中和徳氏=須藤孝撮影

お酒を悪者にしないで

 コロナ禍で飲酒を伴う外食が感染拡大の原因としてクローズアップされたことで、酒類事業者は非常に厳しい状況にある。お酒自体に問題があるという印象も広がっている。

 酒屋さんは、コロナ禍で「悪者」にされたことで、今までの努力が否定されたように思い、非常に傷ついている。そんななかで「街の酒屋さんを守る国会議員の会」の会長として支援に取り組んでいる。

酒屋さんを軽んじた西村発言

 酒類事業者はアルコール依存症への対応や未成年への販売禁止など、長年にわたって社会的貢献をしてきた自負がある。取引のある飲食店とともに感染拡大防止にも努力してきた。

 その前提を無視して、西村康稔経済再生担当相が、飲食店が酒類を提供しないよう取引金融機関からの働きかけを求め、さらに酒を提供する飲食店と取引しないよう酒類販売業者に要請した。

 なんの手当てもないまま流通を止めることは経営の破綻を意味する。西村担当相が金融機関への情報提供に言及したため、酒類事業者自身も情報提供されるのではないかという懸念の声もあった。取引先の飲食店から「納入してくれないならば取引先を切り替える」と言われたという切実な声も寄せられた。

 酒類事業者を悪者扱いする発言で、業界としても議連としても了解できないことだった。酒類はもともと利益率が低い。不当廉売の問題もあり、ぎりぎりのところでやってきた。そこにコロナ禍が重なった。頑張ってこられた人たちへの言葉としては、ひどい仕打ちであったと思う。

 酒類事業者は地域の税務署と深い関係を持ち、国税局、国税庁と密接に協力してきた。しかし、役所全体には酒屋さんの存在の大切さが伝わっていなかった。酒屋さんが理解されないまま、軽んじられたのが今回の西村担当相の発言だったと思う。

 酒類は利益率が低いため、売り上げが2割でも落ち込めば致命的な状況になる。飲食店はデリバリーやテークアウトなど工夫の余地があるが、酒類事業者の場合は飲食店の納入が売り上げの多くを占めているため、創意工夫の余地が少ない。

 西村担当相の発言をきっかけに、議連も働きかけ、2カ月連続で売り上げが15%減の酒類事業者に対して、交付金による国の財政支援が新たに…

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田中和徳

前復興相

1949年生まれ。96年衆院初当選。外務政務官、財務政務官、国土交通政務官、衆院財務金融委員長、副環境相、副財務相などを歴任した。自民党交通安全対策特別委員長。街の酒屋さんを守る国会議員の会会長。保護司。衆院神奈川10区、当選8回。自民党麻生派。