声なき声を捕捉せよ

内閣支持率26% 菅政権に「明かり」は見えず

平田崇浩・世論調査室長兼論説委員
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閣議に臨む菅義偉首相=首相官邸で2021年8月27日、竹内幹撮影
閣議に臨む菅義偉首相=首相官邸で2021年8月27日、竹内幹撮影

頼みの若年層も支持離れ

 菅義偉内閣の支持率は底が抜けたのだろうか。毎日新聞と社会調査研究センターが8月28日に実施した全国世論調査で初めて3割を切り、26%まで落ち込んだ。頼みにしていた30代以下の支持率も振るわない。支持率がまだ40%あった4月の調査では、30代以下の半数近い47%の支持が文字通り支えとなっていた。しかし、5月以降は年代別の支持構造が急変し、若年層の支持離れが進んだ。8月調査の30代以下の内閣支持率は30%。40代以上の支持率25%と比べれば5ポイント高いとはいえ、4カ月前とは比べるべくもない。

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、東京オリンピック・パラリンピックが盛り上がれば、内閣支持率は回復するとの期待が菅政権内では語られてきた。若年層でもワクチン接種が進めば30代以下の支持も戻ってくると政権側が考えているのだとしたら、世論調査の結果はその期待を打ち砕く要素と言えるだろう。

 今回の調査ではワクチン接種について回答者の59%が「すでに2回受けた」と答えた。政府の集計によると、8月27日現在で2回接種済みの割合は43.5%。調査結果がこれより多いのは、回答者が18歳以上に限られ、その年齢構成が18〜29歳7%▽30代13%▽40代20%▽50代23%▽60代20%▽70代以上17%――と中高年層が厚くなっていることによる。

ワクチン一本足打法の限界

 政権にとってショックなのは、2回接種済みと答えた層の内閣支持率も28%に低迷していることだろう。東京都が渋谷区に設置した若い世代向けのワクチン接種会場は連日、大勢の行列ができる混乱となっている。ワクチン接種の普及が第5波の感染拡大に間に合わず、医療崩壊の不安が広がる現状では、今後、若年層へのワクチン接種が進んでも、それが支持率の回復につながるとみるのは楽観が過ぎるように思える。

 そもそもは政権幹部ですら「ワクチン一本足打法」と自嘲する楽観姿勢が招いた結果である。…

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平田崇浩

世論調査室長兼論説委員

1967年生まれ。広島県三原市出身。89年入社。97年から政治部。さいたま支局長、世論調査室長、政治部編集委員、論説委員を経て2020年から2回目の世論調査室長。