スクールバス導入は急務 通学時の悲劇を繰り返すな

猪口邦子・元少子化担当相
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猪口邦子氏=岡本同世撮影
猪口邦子氏=岡本同世撮影

「見守り」だけでは限界

 千葉県八街市で6月、下校中の小学生の列に大型トラックが突っ込み、5人が死傷するという痛ましい事故が起きた。この事故が象徴するように通学路は危険が多い。

 日本は先進国の中でもスクールバスシステムを導入してこなかったまれな国であり、その代わりに先生や保護者らが通学路を見守ることが一般的となっている。

 しかし、少子化や過疎化を背景に、それだけで子どもの安心安全を支えることは、もはや限界に近づいてきている。スクールバスの導入は喫緊の課題だ。二度と悲劇を繰り返さないためにも、全国の公立小学校にスクールバスを導入するよう、政府に働きかけていきたい。

危険な登下校

 私は以前から、スクールバスの必要性を感じていた。少子化に伴い、学校の統廃合が進み、通学距離は長距離化している。誰も通っていない林道や農道、海岸線を1人で歩いて通わなければならない状況も増えている。

 歩行中の交通事故死は、年齢別人口当たりで7歳児が圧倒的に多いことをご存じだろうか。しかも、歩行中の小学校低学年の交通事故死傷者の3分の1が登下校中に発生している。

 交通事故だけではない。殺人、強盗、強制わいせつ、痴漢など身体に影響を与える「身体犯」については、子どもが路上で被害に遭う事案に限れば、午前7~8時と午後3~5時という登下校時間帯に集中して発生しているのだ。

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猪口邦子

元少子化担当相

1952年生まれ。上智大法学部教授、軍縮会議日本政府代表大使などを経て、2005年衆院初当選、10年参院初当選。参院千葉、衆院当選1回、参院当選2回。自民党麻生派。