政権維持が目的の政権は先が長くない

加藤秀樹・構想日本代表
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記者会見する菅義偉首相=首相官邸で2021年9月9日(代表撮影)
記者会見する菅義偉首相=首相官邸で2021年9月9日(代表撮影)

 菅政権が唐突な幕切れとなり、次の政権に向けて自民党内が大きく動いている。ここでは、あまり議論されない「政権のガバナンス」という観点から考えてみたい。その意味では、今回の政権交代は安倍・菅政権の8年8カ月の終焉(しゅうえん)ということになる。

特徴は強権政治

 私はこの間の政治は、いわゆる政治主導でも官僚主導でもなかったと思っている。首相あるいは官邸の関心が強い一部のことについては、トップダウンという意味では政治主導だったと思う。一方で、目立つ官邸の陰で官僚は多くのことを自分たちの都合で回していた。おしなべて大臣の影が薄かったのはそのためだろう。

 では何が特徴だったかというと、「強権(関係者にとっては恐怖)政治」だ。安倍政権発足当初から霞が関の幹部人事は官邸の意向で行われたと言われる。最近の例ではワクチン接種だ。

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加藤秀樹

構想日本代表

 大蔵省(現財務省)で勤務後、1997年、政治家や官僚では踏み込めない政策を「民」の立場から立案、提言そして実現するため、非営利独立の政策シンクタンク・構想日本を設立。公益法人改革をはじめ制度改革などの形で実現したものは40以上。2002年から始めた「事業仕分け」は、国レベルでは自民党(2008年)、政府(2009年から現在まで毎年継続)、国会(決算行政監視委員会、2011年)で行われ、制度として定着。事業仕分けの発展形である住民協議会と合わせて約300回開催。そのうち、無作為に選ばれた住民が参加する方式は、これまでに約150回開催し、参加者累計は約1万人。政治・行政を「自分ごと化」する手法として高く評価されている。選挙で議員を選ぶ民主主義の限界が指摘される中で、ヨーロッパの研究者にも注目されている。2019年から、すべての国の事業をキーワード検索できるサイト「JUDGIT!(ジャジット)」を運営。慶應義塾大学総合政策学部教授、東京財団(現東京財団政策研究所)理事長、東京大学公共政策大学院実務家教員、京都大学特任教授、京都大学経営協議会委員、四国民家博物館理事長などを務める。著書に「道路公団解体プラン」(文芸春秋、加藤秀樹と構想日本編)「ひとりひとりが築く新しい社会システム」(ウェッジ、加藤秀樹編著)「浮き足立ち症候群 危機の正体21」(講談社、加藤秀樹編著)「ツルツル世界とザラザラ世界・世界二制度のすすめ」(スピーディ、加藤秀樹著)。