党利党略で決めた自民党総裁選 コロナ対策はどこへいった

後藤祐一・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
後藤祐一氏=須藤孝撮影
後藤祐一氏=須藤孝撮影

 衆院議員の任期満了は10月21日だ。9月29日投開票で自民党総裁選を実施すれば、衆院選の投開票日が任期満了を過ぎてしまうことは十分想定できたはずだ。

衆院議員の任期を過ぎてもいいのか

 任期満了での衆院選となる場合、公職選挙法は国会が開かれている場合は閉会日翌日を起点に24日から30日の間に投開票を行うと規定している。首相指名のための国会は9月30日以降となるため、任期満了前最後の日曜日に当たる10月17日には間に合わない。

 任期満了での衆院選を選択せず、新首相が首相指名後すぐに解散すれば、10月5日公示、17日投開票も理論上は可能だが、準備が間に合わず現実的ではない。

公選法を悪用した

 公選法の規定があるため、衆院選の投開票日が衆院議員の任期満了を過ぎても違法ではない。しかし、公選法の条文は任期満了近くに大きな災害が起きて、補正予算などで国会が対応しなければならない場合など緊急時に備えたものだ。

 今回は、緊急時ではない。自民党が総裁選を1カ月前倒しで実施しておけば回避できたことだ。このような理由で任期を「超過」するのは、事実上の脱法行為だ。

 ワクチン接種が進むため衆院選は遅くしたいが、自民党総裁選は衆院選にできるだけ近づけたいという自民党の思惑からやっていることだ。緊急時に備えた公職選挙法の規定を悪用している。総裁任期が9月末などというのは党内の論理でしかない。自民党は国民にきちんと説明していただきたい。

議論するなら国会で法改正を

 総裁選の候補の方々は、コロナ禍に対応するために新型インフルエンザ特別措置法を改正すべきだなどと発言している。議論は結構だが、法改正するなら急ぐべきだ。

 総裁選をもっと早くやって、早く臨時国会を開いて首相を決め、必要なら法改正してコロナへの備えを強化してから衆院選をすればよいではないか。

 総裁選でだけ議論をし、その後の国会で予算委員会や法案・補正予算案の実質審議をしないで閉会してしまうのはまさに選挙目当てだとしか言いようがない。

いますぐ臨時の医療施設を

 今、国民が求めているのは、総裁選よりコロナ対策だ。いますぐ実施すべきコロナ対策は、①「臨…

この記事は有料記事です。

残り832文字(全文1729文字)

後藤祐一

衆院議員

1969年生まれ。経済産業省を経て2009年衆院初当選。旧国民民主党政調会長代行などを歴任。衆院比例南関東、当選4回。立憲民主党。