岸田新首相は「脱安倍」を達成できるか

後藤祐一・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
後藤祐一氏=須藤孝撮影
後藤祐一氏=須藤孝撮影

「脱安倍」の判断基準

 岸田文雄新首相が、安倍晋三元首相の言いなりではなく「脱安倍」政権となれるかどうかは、既に多くを語られている人事面を別とすると、以下の三つが判断基準となるのではないか。

 コロナ対策の面では、これまで科学的に間違っていた部分を改められるかである。特に、空気感染(エアロゾル感染)が主要感染ルートであると世界保健機関(WHO)も米疾病対策センター(CDC)も認めているが、日本政府はこれまではエアロゾル感染の問題を重視してこなかった。これを改めるかどうか。「3密」などこれまでの対策の前提が大幅に変わってしまうため、首相が代わった今しか改めることはできない。

 外交面では、核兵器禁止条約に対しオブザーバー参加するなど何らかの積極姿勢を示せるかである。2016年、日本はそれまでの棄権という態度を改め、初めて反対した。被爆地である衆院広島1区選出の外相として、岸田氏は当時なぜ止められなかったのか。安倍首相(当時)の言いなりだったのか。何のために広島1区を代表しているのか。被爆地選出の首相の対応に世界は注目するだろう。

 政治姿勢の面では、安倍元首相が徹底し、菅義偉前首相が下手な形で引き継いだ「すれ違い答弁」という説明責任回避を改めることができるかである。岸田首相が自ら誇る「聞く力」が、党内からの声だけでなく、国民からの声を聞く力であることを期待したい。

 しかし、国民からの声を聞き、自分の言葉で答えるべき予算委員会が開かれる見通しはない。予算委員会を開かずに衆院選に臨むのは、審判を下す国民に判断材料を与えないことを意味する。…

この記事は有料記事です。

残り1743文字(全文2416文字)

後藤祐一

衆院議員

1969年生まれ。経済産業省を経て2009年衆院初当選。旧国民民主党政調会長代行などを歴任。衆院比例南関東、当選4回。立憲民主党。