
9月29日に行われた自民党総裁選挙で岸田文雄元外相(衆院議員)が総裁に選出された。10月4日の衆院本会議と参院本会議で岸田氏は第100代内閣総理大臣(首相)に指名された後、天皇の任命を受け、岸田政権が成立した。
首相に就任した4日、岸田首相は、次期衆議院議員選挙(総選挙)について、今月の14日に衆院を解散し、19日公示、31日に投開票を行う方針を表明した。
興味深いのは、公示日の19日と投開票日の31日が仏滅であることだ。政治には人知を超える要素がある。政治家(特に保守系の政治家)は、政治日程を決定するときに暦を気にする。総選挙を仏滅に行うことは避ける傾向がある。
前回、仏滅に行われた総選挙は2000年6月25日に森喜朗首相の下で行われた(いわゆる「神の国解散」)。この時も公示日(6月13日)は仏滅だった。総選挙の結果、自民党は38議席を失った。
岸田首相は、仏滅や大安といった暦を迷信と見なし、合理的計算で選挙日を決めたのだと思う。
岸田氏の合理的計算とは
それでは岸田首相の合理的計算とはどのようなものであろう…
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佐藤優
作家・元外務省主任分析官
1960年生まれ。同志社大大学院博士前期課程修了。神学修士。外務省入省後、モスクワの日本大使館に勤務。著書に「自壊する帝国」「私のマルクス」など。毎日新聞出版より「佐藤優の裏読み! 国際関係論」を刊行。
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