選択の秋2021

詳報 自民・岸田文雄総裁の衆院選公示第一声 「成長の果実を分配する」

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演説する自民党の岸田文雄総裁=福島市で2021年10月19日午前10時35分、和田大典撮影
演説する自民党の岸田文雄総裁=福島市で2021年10月19日午前10時35分、和田大典撮影

 この選挙、皆さん一人ひとりがこの皆さんの未来を、そして日本のあすを選びとる大変重要な選挙です。コロナによって私たちの国は、大きなこの転換を迫られている。岐路に立たされている。これからどうするか、これを選ぶ選挙が今日からスタートします。

福島の復興「まだまだやらなければならないことがある」

 今回、私は自民党の総裁選挙、勝利をして、そして第100代の内閣総理大臣に選任をされたわけですが、今から1年前、昨年の自民党総裁選挙においては、私は大敗を喫しました。しかしその総裁選挙のとき、1年前ですが、私はこの土湯温泉に足を運ばせていただいて、福島の復興について、また観光について、また温泉について、旅館について、いろいろ教えていただいた。昨年、総裁選挙に負けたことはこれは全て私の力不足だったわけですが、あのときの土湯温泉の皆さん方、福島の皆さん方と大変貴重な、この話、さらには貴重な応援、今でも忘れることはありません。あのときの皆さんの、この話、あるいは応援、あったからこそ、1年後、今日の私があると思っています。改めて、皆さま方のお力添えに感謝を申し上げたいと思います。

 先週は、福島をはじめ、被災地、東日本大震災の被災地、回らせていただきました。インフラなどにおいては、ずいぶんと取り組みが進んでいるなと、そんなことを感じる一方で、福島においては、まだ原発の廃炉の問題、アルプス処理水の問題、また心のケアの問題、まだまだやらなければいけないことがたくさんあるなということも痛感し、心に刻んだ次第です。

 ぜひこれからも、この福島の、そして、東北の未来のためにがんばっていきたいと思っています。東日本の復興なくして、日本の再生なし。この言葉をこれからも心に刻んでがんばらせていただきたいと思っています。

コロナ治療薬の開発を進める

 そしてこの選挙において、復興とあわせて、私たちは日本の未来、これからを考えていかなければなりません。まずはコロナ対応。新規感染者の数、この福島県においてもかっては200人を超える、こういった大変な状況がありましたが、ここのところ、この数人程度に、このおさまっている。落ち着きを見せている。

 このことは大変ありがたいことだとは思いますが、しかしまだまだ油断をすることはできない。この万が一に備えて、病床、ベッドの数もしっかりと用意をしながら、この最悪の事態にもしっかり備えながら、これからを考えていかなければいけない。

 ワクチン接種、それから、検査態勢の充実、さらには治療薬の開発、これをしっかり進めていかなければいけません。ワクチン接種についても、日本においては、1回目の接種、もう75%、超えました。2回目の接種、67%を超えました。これは米国、英国、ドイツを飛びこえて、接種が進んでいるということです。

 12月には3回目の接種も始める。日本においては、こういった態勢まできました。そして、こうしたワクチンによって安心を確保しながら、検査体制も、この無料の検査を広げるなど、しっかり進めていかなければならない。そして治療薬、特にみなさんが口から入れる、この初期の段階で利用することができる治療薬の開発、これを年内にしっかりと進めて、そして普及をさせる。こういった努力を進めています。

 口から入れる治療薬というのが大変大きなポイントになります。皆さん、ワクチンやマスクによって、予防をされている。しかし、ちょっと不安だなと思うと、この検査は受けるわけですが、今までは検査を受けても、もし陽性だったとしてもすぐ飲める治療薬がなかったわけです。

 しかし、これから口から入れる、飲むことができる治療薬が開発されると、みなさん、治療薬があるんだったら、検査をどんどん受けようではないか、と思って検査がどんどん進んでいく、こういったことにもつながりますし、初期の段階での治療薬が開発されると、重症化も未然に防ぐことができるということで、予防と検査とそして、治療、一体の流れができあがる。私たちの生活、できるだけ、平時に近い社会経済活動を取り戻す上で、このことは大変大きいことだというふうに思います。ぜひこれをしっかりと進めていきたいと思います。

暮らしを支える経済対策「成長の果実を分配する」

 しかし、こうした態勢が整うまで、あと何か月か、まだかかるということであるならば、皆さんの暮らしをしっかり支えるための経済対策、私たちはしっかり用意をしなければならないと思っています。みなさんのこの仕事を支えるための持続化給付金なみの支給、あるいは、雇用調整助成金、来年3月までしっかりと、用意をする、さらには困っておられる方々に対する、給付、これもしっかり、用意をして、もうしばらくみなさんに協力してもらうための経済対策、これをしっかり用意していく。

 これがまずはコロナ対応ということで、私の内閣においてしっかり取り組んで行く方針であります。そして、こうした取り組みを進めて、できるだけ平時に近い社会経済活動を取り戻したならば、みなさんの仕事、そして経済、これを動かしていかなければなりません。私は経済について、これからの日本の経済においては成長、経済を大きくしていく、これもちろん大事なことですが、それとあわせてみなさんに成長の果実を分配する、みなさんの給料を、所得を引き上げる経済対策をしっかり進めていきたい、ということを申し上げています。

地方に大きな可能性

 そして、成長ということを考えた際に、地方こそ大きな可能性、潜在力があるということも申し上げています。地方においては、過疎化や農業、あるいは介護、こうした課題は、デジタル化によって、乗り越えることができる課題がたくさんあるんだということをみなさんに今一度考えてもらいたいと思っています。

 ドローン宅配、自動運転などが言われますが、こういったことによって高齢者の足をしっかりと確保する。リモート医療、リモート教育、こういったことによって子どもたちが地方においてもいきいきと育っていく環境を作っていく。

 またテレワーク、あるいはスマート農林水産業、こういった取り組みによって若い人たちが地方においてもいきいきと生活をしていく、こういった環境を作っていく、こうした取り組み、デジタル田園都市構想というふうに申し上げていますが、こういった取り組みもぜひしっかり進めて、日本の経済、成長させていきたいと思っています。

 そして、農業ということを考えましても、今年度中には農産物の輸出、1兆円を超えるというところまできました。米国の日本の農産品の輸出規制、先日、全部撤廃をいたしました。日本の農業ということを考えても、輸出を中心に成長、産業化しっかりすすめていく。それとあわせて、多様な農業、家族農業、あるいは中山間地農業、これもしっかりと守っていく、こうした取り組みもすすめていかなければなりませんし、またあしもとにおいては、コロナ禍において、お米の値段が値崩れして、みなさん大変苦労されている。

 こういったことに対して、既に15万トンの特別枠を設けて民間の流通保管、あるいは売買、これをしっかり支援していく、こういった取り組みも明らかにさせていただいていますが、みなさんのあしもとから未来に向けてしっかりと農業も支えていく、こういったことも既に明らかにさせていただいています。これをしっかりと実行していくこともお約束をさせていただきたいと思っております。

観光も復活させる

 さらには土湯温泉、こうしたの温泉地、観光地のみなさんにとっては、観光をしっかりと復活させなければいけない。GoToトラベルをはじめ、さまざまな取り組みを、感染状況をしっかり確認して、安心、安全、これをしっかり確認したうえでありますが、こうした取り組みも再開するべく準備を進めていかなければいけない。

 こうした取り組みを通じて、ぜひ日本の経済、しっかりとまず大きくし、そしてその成長の果実を、みなさん一人一人に所得、給与という形で分配をしていく。そしてみなさんに思い切ってお金を使ってもらうということになると、これがまた次の成長につながっていく。こうした成長と分配の好循環、これを日本において実現することによって私たちは新しい日本、未来を切り開いていくことができるのではないかということを申し上げているところであります。

国際状況に対応

 そして、この選挙においてもう一つ申し上げていることは、もちろん、みなさんの暮らし、日本の発展、大事ですが、国際状況を考えますと大きな変化が、私たちの周りで起こっています。これに対してもしっかりと対応していかなければいけない。

 私も総理大臣に就任してから米国、豪州、英国、インド、中国、そしてロシア、さらには韓国。こういった国々のトップ、首脳と既に電話会談を行って、日本の考え方、そしてこの国際社会の情勢について、いろいろと意見交換をしました。

 私は4年8カ月、外相を務める中にあって、外交というのは、やはり人と人とのつながり、信頼関係だということを確信をしています。ぜひ、こうした首脳外交を通じながら、日本の存在感、日本の発言力、しっかり確保していかなければいけないと思いますし、また東アジアにおいては、まだミサイルが発射されるといった不穏な状況の中にあります。

 私たちの命や暮らしを守るために、日本の国の国家安全保障戦略をはじめとする基本的な考え方も、絶えず、この厳しい状況にあわせていかなければいけない、こういった取り組みも是非、進めていきたいと思っています。こうした外交安全保障ができるのが、私たち自民党、そして公明党の皆さんと協力して自公政権、この我々しかないんだということを、この選挙において、しっかりと訴えていきたいと思っております。

未来選択選挙

 このようなコロナ対応、そして経済対策、また外交安全保障、こうしたものをしっかりと進めることによって私は、あす、日本の明日をしっかりと切り開いていきたいと思います。この選挙は未来選択選挙であるということを申し上げています。是非、みなさんの選択をいただき、そして皆さんの信任をいただいたならば、信頼と共感のある政治、信頼と共感の政治を是非進めていきたいと思っています。

 そして、ここに一冊のノートがあります。このノートはですね、自民党総裁選の際に「岸田ノート」といって注目を集めたノートです。私が長年、このみなさん1人1人の、国民の皆さんの声を、この書きとどめてきたノートであります。もうずいぶん冊数も重ねて、最近また新しいノートに移っておりますが、このノートはこれからも私が国民の皆さんの声をしっかり聞いて、そして何よりも国民の皆さんの、と協力をして明日を切り開いていく、国民の皆さんとの約束の証しであると私は思っています。是非皆さんと共に、新しい時代を切り開いていきたい。(福島市、要旨)