選択の秋2021

詳報 立憲・枝野幸男代表の衆院選公示第一声「まっとうな政治を取り戻す」

  • 文字
  • 印刷
衆院選の公示日を迎え、第一声を上げる立憲・枝野幸男代表=松江市で2021年10月19日午前9時22分、木葉健二撮影
衆院選の公示日を迎え、第一声を上げる立憲・枝野幸男代表=松江市で2021年10月19日午前9時22分、木葉健二撮影

政権選択の選挙

 この10年近く、多くの国民の皆さんに選択肢がないじゃないか。他に選ぶものがないじゃないか。そういう思いを選挙の度にさせてきてしまったのではないか。忸怩(じくじ)たる思いを持って参りましたが、多くの仲間と多くのみなさんのお力とご理解で、ようやくほぼ10年ぶりに国民の皆さんに選んでいただける政権選択の選挙が今日からスタートします。

コロナ対策が争点

 この選挙の一つの争点はコロナ対策だ。足もとでは新規感染者は減っている。でもこうした状況から何度もリバウンドをして、期待を裏切られた。私たちは水際対策を徹底しよう、PCR検査を増やして、感染ルートをしっかりと追いかけられるようにしよう。そしてご商売されている皆さんなど、お願いをするだけではなくて、補償はセットだ。

PCR検査を

 もう2年近くにわたって国会に何度も法案も出して具体的に提案をしてきた。それがどうでしょうか、残念ながら水際対策はこの9月に緩められた。せっかくみんなの力でここまで感染者を減らしたのに、新しい変異株が入って来たらどうなるのか。それを食い止めるのがまずは政治の役割じゃないのか。PCR検査をしなければ、症状のない感染者を見つけ出すことができません。

 せっかく感染者が減ってきたんだから、ここで大規模に国の金で、1人感染者がいたら、その回りに500人、1000人、今ならば検査することができる。そうすれば症状のない感染者を見つけ出して、そこからの広がりを止めて、感染者を抑え込むことができる。

しっかりと補償する

 ご商売をされている皆さん、飲食店、観光、ちょっとずつ戻り始めているかもしれません。しかしながら、この2年近くの間に痛んできた。お店を再開できると言っても仕入れをするためのお金がない。また借金か。こうした皆さんにしっかりと補償をすることが今こそ重要なことだと思っている。

 私たちには具体的な提案がある。2年近くにわたって後手後手にまわり続けて来た司令塔をしっかりする。岸田(文雄・自民党総裁)さんはおっしゃった。でも残念ながら昨日の党首討論で、これから検討して、これから組織を作る。リバウンドの兆候がでてきたらどうするのか。

 私自身10年前、東日本大震災と原発事故の危機管理にあたった。福島の皆さんなどに大変なご苦労をおかけした。さまざまな忸怩たる思いがある、でもその経験と教訓があるから、直ちに総理と官房長官を中心とした強い司令塔をつくって、大臣を何人も並べるんじゃなくて、各役所にそれぞれの力を最大限発揮させる。こうした司令塔を直ちに作らなきゃいけないんじゃないのか。ぜひ私たちにそういう力を与えて頂きたい。そのことをお訴えする選挙だ。

暮らしは良くなったか

 コロナによって多くの皆さんが大変厳しい状況におかれたが、それは別にコロナだけの理由ではない。アベノミクスと称する、この国の経済政策、まもなく9年になる。さあ、松江の皆さん、島根のみなさん、この9年間で街は元気になったか。景気は良くなったか。あなたの暮らしは良くなったか。

 そうです、残念ながら株価だけは上がった。もともと株を持っている恵まれた人たちはさらに豊かになった。一部の大きな企業や東京などの一部の繁華街だけは、この間大きく潤った。でも日本の経済は成長していない。バブルがはじけてからもう30年近く、この松江も島根も、いや日本全体が実は成長しなくなってしまっている。私たちにはその原因、本質にしっかりとメスを入れて、日本を元気にする具体的なプランがある。まさに分配なくして成長なしだ。

国民の懐を温かくする

 なぜ、この間経済は低迷してきたのか。日本の経済の半分以上、6割近くは国内でモノが売られるかどうか国内消費だ。輸出のみなさんは厳しい競争だけれども、その中でがんばってそこそこ伸びている。でも輸出は日本の経済に占める割合は2割にも達しない。そこがどんなにがんばっても国内でモノが売れないから経済が低迷している。

 じゃあ、どうしたら国内でモノが売れるようになるのか。みなさんの収入はじわじわ、じわじわ目減りをして来ている。アベノミクスで経済は良くなった。間違ったことを言う人がいるが、実質経済成長率で見ると、安倍(晋三・元首相)さんが悪夢と呼んでいた3年3カ月の民主党政権よりも安倍政権になってからの方が実質経済成長率は低いんです。これが客観的な答えだ。

 そして何よりも、働いている皆さんの実質賃金、下がっている。物価は上がるのに、それに見合っただけ賃金が上がっていないから、皆さんの賃金は実質的にじわじわ、じわじわ下がって来たのが、この9年間の結論だ。これでモノが売れるか。ましてや年収100万、150万、明日の仕事があるかどうかわからない非正規で働く、こうした皆さんを山ほど増やしてきてしまった。どんなに良いものやサービスを売り出しても、買う側に金がなければ売れるはずがない。だから買う側の、国民の皆さん1人1人の懐を温かくする、所得の再分配こそが景気を良くする第一歩だ。

1億総中流社会を取り戻す

 もう一つ、モノが売れない理由は不安だ。老後の不安、子育て教育に金がかかるという不安、そしていつ仕事を失うか、雇用の不安。こうした不安が大きいなかで、財布のひもがゆるむか。どんなに安くて良いモノを売りに出してもなかなか売れないんじゃないか。所得を再分配して1億総中流社会を取り戻す。老後や子育て、教育、雇用、この不安を小さくしていく。これこそがなによりの経済対策だ。私たちには具体的なビジョンがある、それを実行していくプランもある。

 二つだけ例を上げさせてください。一つは介護職員、保育士さん、看護師さん、みんな生きていくうえで不可欠だ。日本中どこに居ても、ちゃんとしたサービスが受けられなければ困る。

 でも現場は慢性的な人手不足だ。なぜか。重労働で人の命にも関わる大変なお仕事なのに、多くのみなさんが低賃金で、そして非正規だからだ。そうした皆さん、希望すれば正規で働けるようにしよう。賃金をせめて、働いている人たちの平均レベルくらいまで上げましょう。

 これは政治が決めればできるし、政治が決めなければできないことだ。看護師さんは医療保険制度、介護職員は介護保険制度、保育士さんは保育所はもう全額無償化しているじゃないですか。全部政治が決めたお金しか、その事業を営んでいる皆さんのところの収入はない。だから、それを上げない限りは賃金が上がらない。いくら人手不足のなか、良い人が集まってほしいと思ったって、国から保険から収入が入って来なければ雇えない。逆に政治が決めれば、そこを賃金に使ってくださいねと言ってお金をお渡しすれば、必ず賃金は上がる。是非こうしたことを進めさせてください。

1次産業の強化

 もう1点は、1次産業だ。いま外食産業がぐっと落ち込んだ。そうした影響もあって、米の価格が急落しています。いや、そうではない、それだけではない。実は安倍政権になってから、その前の3年間せっかく米価が上がっていたのが下がった。なぜ、民主党政権の時に米価が上がったか。それは戸別所得補償制度をしっかり導入して、その代わり食料の生産調整を国が責任をもって皆さんにご協力をお願いする。それがしっかり機能していたからだ。

 それを安倍政権以降の自民党はやめてしまいました。地域を支えているのは、1次産業、農業、畜産業、林業、水産業。なかなかご商売という意味ではうまくいかないことがたくさんあります。

 でも、お金にならないからといって、切り捨ててきていいんでしょうか。地域の社会の支えです。そして食料を支えてくれています。去年の春、マスクひとつ、急に国際情勢が変わったらコロナが生じたら入ってこなくて大変なことになったじゃないですか。食料でこんなことになったらどうするんですか。

 だからしっかりと食料は国内で最低限確保しなきゃならない。それを守っていかない限り、1次産業のみなさんが、明日の暮らしに不安をもつ。こんな国でいいんですか。私たちは戸別所得補償制度を復活させ、そして1次産業にはコメ作りだけではありません。中山間地であれば、たとえば災害を防いでいく大きな機能があります。緑は二酸化炭素を吸収する、カーボンゼロに向けた温暖化対策に向けた大きな役割もあります。水産業は国境を守ってくれている。そういう役割もあります。多くの多面的な機能を担っていただいている。でもそうしたみなさんが生活が不安定で低収入。それは政治で国の責任でみんなで支え合うべきではないでしょうか。

 私たちはこの1次産業の多面的機能をしっかりと国が強化して、しっかりとこうした仕事に携わっていらっしゃるみなさんが安心して、そしてお子さんお孫さんが、おやじの仕事継ぎたいな、と希望したときに、いやーもう大変な仕事だからやめとけと言わなくてすむような社会を取り戻したいと思いますが、みなさんいかがでしょうか。

まっとうな政治を取り戻す

 私たちには具体的なプランと具体的なビジョンがあります。ぜひみなさんの力で、もうひとつの道を歩んでいきませんか。社会は、お互いさまの支え合いでできています。どんな人も自分の力だけでは生きていけません。このコロナ禍で外国からの観光客でもうかるはずだと思っていた人が、あっという間に、倒産廃業の危機に迫られました。

 コロナのような感染症ではお金を持っていても社会的地位があっても、自らの命を守れない、そういうことがあります。だからみんなで支え合う。そのかわり、この間アベノミクスなどで恩恵を受けていただいたみなさんには、しっかりと負担を応分にお願いをする。その当たり前を当たり前にしましょう。まっとうな政治を取り戻そうではありませんか。

 立憲民主党は4年前、私がたった一人で記者会見をした、そこから始まりましたが、その3日前、私は松江におりました。どうしようか、この国の未来を切り開くためのちゃんとしたまともな選択肢がちゃんと必要なのに、それが国民のみなさんに見えなくなっている。これはなんとかしなきゃならない。多くのみなさんに背中を押していただいて、立憲民主党は立ち上がり、そしてより幅広いみなさんからご理解をいただいて、合流をして、そして政権の選択肢となることができました。

 この4年間も何といっても1次産業、この島根には農業はもちろん林業も、畜産業も、そして水産業も残念ながら今の政治に届いていない。ぜひ皆さんの力で、もう時代遅れになった政治を変えようではありませんか。変えようではありませんか、みなさん。我々の党の仲間も全力で走ります。でも政治を変える力を持っているのは、私たちではありません。有権者のお一人お一人が政治を変える力を持っている。あなたの力が必要です。共にがんばろう。(要旨、松江市で)