選択の秋2021

詳報 共産・志位和夫委員長の衆院選公示第一声「野党共闘の力で新しい政権を」

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衆院選が公示され街頭演説する共産党の志位和夫委員長=東京都新宿区で2021年10月19日午前10時5分、宮間俊樹撮影
衆院選が公示され街頭演説する共産党の志位和夫委員長=東京都新宿区で2021年10月19日午前10時5分、宮間俊樹撮影

 総選挙が始まった。今度の総選挙は、国民の声を聞かない自民党と公明党の政権を続けるのか、それとも野党共闘の力で、国民の声が生きる新しい政権を作るのか。政権選択の歴史的な選挙である。格差と貧困をひどくし、国政私物化疑惑にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治を任せるわけにはいかないじゃないですか。今こそ、みんなで力を合わせて、政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権、作ろうではないか。

コロナから命を守るために

 この間新型コロナの感染爆発、医療崩壊が起こり、多くの人々の命が失われた。私はコロナから命を守るためには次の3つの点で、これまでの政治を厳しく反省し、切り替えが必要だと考える。

 第1は、科学を無視した対応をおおもとから改めることだ。政府はPCR検査を広げると医療崩壊が起こると言って、検査を抑えてきた。しかし検査を怠ったために、医療崩壊が起こったのではないか。科学無視の最たるものは緊急事態宣言下でオリンピック・パラリンピックの開催を強行したことだ。これが、感染爆発を起こし、多くの人々を犠牲にしたこと、痛切な反省が必要ではないか。

 みなさん、新規感染者が減少傾向になっている今こそ、ワクチン接種と一体に、大規模検査が必要だ。大規模検査によって、感染の火種を消していく。科学の基本に立った取り組みが今、必要ではないでしょうか。誰でも何度でも無料でPCR検査が受けられる体制を作れ、このことを求めていこうではないか。

医療を切り捨ててきた政治を切り替える

 第2は40年来の医療・公衆衛生を切り捨ててきた政治をおおもとから切り替えるということだ。全国でも、東京でも、保健所の数が半分にされてしまった。これが医療崩壊につながったことは明らかだ。共産党は国の予算を2倍にして、医療と公衆衛生を立て直そうという提案をしているが、いかがでしょうか。

 政府は地域医療構想のため、こともあろうに、消費税を財源にして、急性期の入院ベッドを20万床削る、こんな計画を今進めている。コロナの教訓から何も学ばない、とんでもないことじゃないでしょうか。病床削減の計画は中止させて、医療体制の抜本的拡充に切り替えようじゃないか。

事業と暮らしをしっかり支援

 第3はコロナで傷ついた、事業と暮らしをしっかり支援することだ。持続化給付金、家賃支援給付金第2弾、支給させようじゃないか。コロナが収束するまで継続的に支給をさせようではないか。日本共産党は、生活に困窮している低所得者の方々に加えて、コロナで収入が減った方々を広く中間層まで対象にして、1人基本的に10万円の「暮らし応援給付金」を支給することを提案している。みんなの力で実行させようではないか。

 みなさん、共産党はオリパラへの姿勢に強調されるように、ぶれずに貫く政党だ。どうかこの党を伸ばしに伸ばして頂いて、命を守る政治をご一緒に作ろうではないか。よろしくお願い致します。

4つのチェンジ

 自公政権を終わりにしてどういう日本を作るか。私はこの場で、4つのチェンジで安心と希望の新しい日本を作ろうとお訴えさせて頂きたいと思う。

新自由主義を終わらせる

 第1は、弱肉強食の新自由主義はもう終わりにして、命と暮らしを何よりも大切にする政治へのチェンジだ。岸田(文雄)首相は成長と分配の好循環、ということを繰り返している。党首討論でもずいぶん議論になったが、この議論の一番の問題点はどこにあるか。

 ずばり、分配の内容がゆがんでいることにあると私は考える。アベノミクスの9年間で日本の大富豪の資産額は6兆円から24兆円に、なんと4倍に膨れ上がった。大企業の利益は1・6倍になり、内部留保をため込み、133兆円も増えた。その一方で、働く人の実質賃金は25万円も減った。つまり、富裕層と大企業が分配を独り占めしてしまって、庶民のところに分配が回らない。これが一番の問題ではないでしょうか。

 アベノミクスの理屈というのは、大企業と富裕層が儲ければ、いずれは庶民に回ってくる、トリクルダウンというものなのだ。しかし、待てども待てどもトリクルダウンは起こらなかったというのが事実ではないか。そうであるならば変えましょうよ、ボトムアップ。国民のみなさんの暮らしの底上げで日本経済をよくする。この道に切り替えようじゃないですか。

 みなさん、中小企業への十分な支援とセットで、最低賃金を時給1500円に引き上げようではないか。働く人の使い捨てをやめさせ、人間らしく働けるルールを作っていこうではありませんか。高すぎる大学の学費、半分にしよう。給付奨学金を充実させて、入学金は廃止しようじゃないか。そして、富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税は5%に減税しようではないか。

 岸田首相は新自由主義からの転換、と口では言うが、今私が述べたような具体論になると全部に背を向けるのだ。唯一、富裕層優遇の金融所得課税を見直すと言ったのだが、総理大臣になった途端にこの旗をたたんでしまった。

 先日、民放の党首討論があって、私その場で米国のバイデン大統領は1%の富裕層と、米財界に公正な負担を、それに反対する人がいたら、一体どこから税金とってくるのか、と議会で演説したことを紹介して、岸田さんに「岸田さんグズグズ言わずに、バイデンさんを見習ったらどうか」と申し上げた。

 しかし、見習おう、とは言わない。良いことは見習わないのだ。新自由主義を文字通り終わりにして、命と暮らし最優先の政治、作っていこうではないですか。

気候変動対策

 第2は気候危機を打開し、地球の未来を守る政治へのチェンジだ。世界でも日本でも気候危機は待ったなしの緊急課題となっている。岸田政権の対応はどうだろうか。昨日、日本記者クラブで党首討論があって、私この問題を取り上げた。これに、本気かどうかの試金石となるのは、CO2(二酸化炭素)を一番たくさん出す石炭火力への態度だ。

 国連は日本を含む先進国に対して、2030年までに石炭火力から撤退することを求めている。そこで私岸田さんに2問聞いた。一つは国連が要請している2030年までの撤退、やる意思があるのかどうか、イエスかノーかで答えてほしい。2つ目はこの期に及んで、9つもの石炭火力発電所を新増設するというのは全く矛盾した態度ではないか。

 この2点であるが、どちらも岸田首相は全く答えられなかった。私、このやりとりを通じて、この政権に任せたら地球の未来はなくなると思う。今世界で子供たちが「地球が燃えてしまう」、この告発の叫びを上げているではないか。岸田政権に任せたら地球が燃えてしまう。こんな政権に任せるわけにはいかない。

 共産党は気候危機打開のための2030戦略を提案している。2030年までに石炭火力はゼロにする。原発は直ちにゼロにしようじゃないですか。省エネと再エネの大規模な普及で2030年度までにCO2を最大60%削減して、日本の社会の大改革をやろう、こういう提案をしている。これをやると、年間254万人の雇用が増え、GDP(国内総生産)も累計で205兆円増やすことができる。脱炭素、省エネ、再エネ、この3つこそ、持続可能な発展の道だ。

ジェンダー平等

 第3はジェンダー平等の日本へのチェンジだ。この問題が総選挙の大争点に浮上してきた。私ある民放の党首討論に出たところ、最大のテーマが男女の賃金格差をどうやって解消するか。実は日本の男女の賃金格差は世界でも異常であって、女性は男性の55%、生涯の賃金にすると1億円近い格差があるのだ。これを解消する一番の手当は、企業に格差の実態をつかんで公表させる。見えるようにする。これが一番の鍵なのだ。

 EU(欧州連合)でも透明化によって格差をなくす取り組みを進めている。しかしこの問題を提案したところ、岸田首相は情報公開の対象に致しません、と言うのだ。見えるようにするどころか、格差を隠す。この政権では格差解消は絶対にできないということを私は言いたいと思う。この政治を変えることが必要だ。

 選択的夫婦別姓も大争点になっている。昨日の日本記者クラブの党首討論会で選択的夫婦別姓賛成の方手を挙げてください、司会者に問われて、私はもちろん手を挙げたが、9人の党首のうち、手を挙げなかった方が1人だけいる。岸田総裁である。

 このシーンは実は2年前にも同じシーンがあった。参院選の時であるが、その時にも1人だけ手を挙げなかった人がいる。安倍(晋三)元首相だ。2回続けて自民党はこれに拒否をしている。2回続けたというのは、もう自民党はアウトではないか。みなさん、ここでも政治を変える必要がある。ジェンダー平等の日本を作るためには政治を変えることがどうしても必要だ。

平和外交

 第4は憲法9条を生かした平和外交へのチェンジだ。私たちが真っ先に取り組みたいのは、核兵器禁止条約への参加だ。今、世界で核兵器禁止条約への賛同の大きな新たなうねりが起こっている。ノルウェーの政府は、来年3月の核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加をすることを決定した。米国と軍事同盟を結んでいる国でも、米国本国でも核兵器禁止条約に加わっていこう、こういう声が起こっているではないか。その時に唯一の戦争被爆国、日本の政府がこれに背を向けているのは恥ずかしいことではないでしょうか。核兵器禁止条約に署名、批准する新しい政権を作って、核兵器のない世界に日本こそ貢献していこうではないか。

 岸田首相は、辺野古新基地建設の推進を公言していることもどうしても言わないわけにはいかない。実は沖縄の新基地の問題、すっかり破綻しているのだ。超軟弱地盤というのが見つかって、政府の試算でも工事にさらに10年かかる。実際は、どれだけかかるか分からないのだ。そして、埋め立てのために戦没者の遺骨が眠る、沖縄本島南部の土砂を使うというのだ。死者を冒とくする暴挙は絶対に許してはならない。辺野古新基地は中止し、世界一危険な基地は撤去させようじゃないか。

野党共闘

 みなさん、政権交代のためには本気の野党共闘が必要だ。私たち共産党はそのためには3つ必要だと言ってきた。共通政策、政権協力、そして選挙協力だ。公示日までにこの3点セットがしっかりそろって、本気の共闘の態勢が作られたということをみなさんにご報告したいと思う。

 まず一つ、共通政策という点では市民連合と野党4党の党首が一堂に会して、野党共通政策で合意した。20項目あるが、その中には安保法制の廃止、核兵器禁止条約の批准を目指す。辺野古新基地建設の中止、従来の医療費削減政策の転換、消費税の減税、原発のない脱炭素社会、選択的夫婦別姓など、自公政治のチェンジの要になる大事な政策がしっかり明記されている。どれ一つとってもみなさん、岸田首相には逆立ちしてもできないものばかりではないですか。野党共闘の政策的旗印がしっかり立っていることをみなさんにお伝えしたいと思う。

 二つめに政権協力という点では共産党と立憲民主党が党首会談を行って、新しい政権ができた場合は、共産党は閣外からの協力を行うということで合意した。限定と言っても、協力の中身は大変豊かなものなのだ。つまり、協力して今ご紹介した20項目の野党共通政策を実行する。これが私たちの合意なのだ。だから、今の政治を根本から変える政権協力でも合意した。このことをみなさんにお伝えしたいと思う。

 そして3つ目に選挙協力という点でも、小選挙区での一本化が大きく進んだ。今日までのところ、全国289選挙区のうち、213の選挙区で野党候補が一本化された。7割を超える小選挙区で与野党1対1の構図が作られた。ここまできたからには全部で勝ちましょうよ。一本化したところでは全部で自民公明とその補完勢力を倒して、勝利を勝ち取るために力を合わせようではないか。

 みなさん、3点セットそろったと話したが、野党がここまで本気の共闘の体制を作って総選挙を戦うのは、戦後の日本の政治史でも初めてのことなのだ。自公政治に変わる新しい政治の姿を、野党はしっかり責任を持ってお示ししている。準備万端整った。そこで私は訴えたい。あなたの1票で政治は変えられる。あなたの1票で政権は変えられる。政権交代を始めようではないか。自公政治はもう終わりにして、新しい政権、野党連合政権をみんなで力を合わせて作ろうではないか。

 4つのチェンジということをお話した。命と暮らしを最優先にする。気候危機を打開する。ジェンダー平等。平和外交。みんなの願いじゃないでしょうか。この願いをどうか、日本共産党に託してください。(要旨、東京都新宿区で)

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