繰り返す「政治とカネ」を許す野党の弱さ 「批判ばかり」から脱却する

太栄志・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
太栄志氏=野原大輔撮影
太栄志氏=野原大輔撮影

有権者の怒りを感じた選挙

 有権者の怒りを感じた選挙戦だった。衆院選公示直後のことだ。演説をしていると、怒りながら駆け寄ってくる有権者がいた。

 てっきりマイクの音量が大きすぎるなどの苦情を言われるかと思いきや、私の手を取り「絶対に(相手の)自民党候補に負けてはいけない」と強くおっしゃってくれたのだ。演説で集まってくれる方が増え、わざわざ自動車を止めて激励に寄ってきてくれる方もいた。

 「政治とカネ」を巡る国会議員の不祥事が相次ぎ、自身の金銭授受問題について説明責任も政治責任を果たさないまま、自民党幹事長に就任した相手候補への有権者の反発は大きかったようだ。

 相手候補は世襲で、当選10回以上の実力者だ。対する私は、この神奈川13区へ、家族や知人が一人もいない中、2015年12月に引っ越してきた「落下傘候補」。

 最初の挑戦となった4年前の前回衆院選では何もできず、ダブルスコア以上の惨敗を喫した。しかし、ここで諦めてしまえば、これまでの自民党政治が続き、この国の衰退を食い止められない。私は、次の衆院選では絶対に負けないと後援会の皆さんと日々誓い合って活動を継続してきた。

相手候補の幹事長就任と徹底した地元密着の地域回り

 私という候補者、私の考えを知ってもらわなければ、積極的な支持どころか、批判の受け皿にもなれない。

 「とにかく愚直に回ろう」。私はそう決心し、引っ越した翌朝から朝の駅前や交差点での街頭演説を開始した。その後約6年間、平日の毎朝、雨の日も雪の日も一日も欠かさなかった。昼間は片手に地図を持ち、戸別訪問を続けた。

 週末は人が集まりそうなところに行って街頭演説をし、市民との対話を図るため、タウンミーティング(各地の公共施設などでの月例のミニ集会)も毎月欠かさず繰り返した。選挙区に引っ越して以来、街頭演説に立った日は2100日以上、戸別訪問の軒数も10万軒を超え、タウンミーティングは86回開催した。

 相手候補が幹事長を引き受けたことは、それ自体、非常に驚きだった。「これで選挙戦がさらに厳しくなるのではないか」という心配のお声も多くいただいたが、私は注目されることで好機につながるのではないかとプラスに考えた。

 相手候補は金銭問題について説明責任を果たしていない。そのことは有権者の中でくすぶっていたはずだ。注目が集まることで、再び「政治とカネ」の問題がクローズアップされる。…

この記事は有料記事です。

残り2099文字(全文3097文字)

太栄志

衆院議員

 1977年生まれ。衆院議員秘書、米ハーバード大国際問題研究所研究員などを経て、2021年衆院選で初当選。神奈川13区。立憲民主党。