広がる格差への不満 いま、愛のある政治を

大石晃子・衆院議員
  • 文字
  • 印刷
大石晃子氏=内藤絵美撮影
大石晃子氏=内藤絵美撮影

れいわへの期待

 小選挙区で落選したが、比例で復活当選をすることができた。これは、比例代表でれいわ新選組に票を投じてくれた有権者が多数いたからであり、党への大きな期待を感じる。

 選挙前の予測では、れいわの獲得議席数はゼロか、せいぜい1だろうという見方が大半を占めていたと思う。しかし、蓋(ふた)を開けてみれば私を含めて3議席を獲得し、衆参合わせて5議席の政党となった。

 これで参院選で果たした得票率2%に加え、国会議員5人という、どちらかを満たせばよい政党要件を二つともクリアしたことになる。これまで少数政党としてNHKの日曜討論にVTR出演しかできないなどの扱いを受けてきたが、今後は他党と差別されないことが期待され、活動の幅が広がる。

 しかも、本来ならもう1議席獲得していたはずだった(※編注:東海ブロックで1議席獲得できる票を得たが、候補者が重複立候補した小選挙区で10%未満の得票率にとどまったため、公職選挙法の規定により復活当選できず、議席は次点の公明党が獲得した)。いただいた票を生かし切れずに本当に申し訳ない思いだ。よりがんばらないといけない。

 ある意味、マンガ的な異質な存在として思われていたれいわが、このような予想外の躍進となったのは、永田町界隈(かいわい)やエリート、エスタブリッシュメントとの乖離(かいり)を感じ、潜在的に不満を抱いている人が多いからではないか。勝ち組になると、いくらでもお金を稼げる一方で、どんなに働いても賃金が下がってしまい、生活の向上が見込めない人たちがいる。経済格差が拡大し固定化され、苦しんでいる人たちが多いのだ。

疑問に感じた大阪府のリストラと大阪都構想

 私は、まだれいわが結党していない3年前の2018年から政治活動を始めた。大阪府職員を辞めて無所属で大阪府議会選に挑戦した。大学卒業後、大阪府に入庁して16年間働いたが、疑問に思うことが多かったからだ。

 特に、08年に橋下徹さんが府知事に就任して以降、強く感じるようになった。啓発やイベントなど有権者が気を引くものは派手になっていると感じる一方で、「職員たたき」を通じた業務リストラ・予算削減で、「困っている府民に向き合っていない」と悩んだ。例えば、私が働いていた公害分野の部署も、毎年のように一律5%予算カットなどリストラが続き、憤りを覚えた。大阪は大気汚染などの公害に苦しんだ歴史があり、被害に遭ってきた府民に対する行政の責任がある。無駄なものの削減は必要だが、そのような歴史をないがしろにする一律のカットは環境行政を後退させる。

 また、大阪都構想の先駆けとして、公衆衛生分野の民営化が行われた。17年に、地方衛生研究所である大阪府立公衆衛生研究所と大阪市立環境科学研究所が統合され、独立法人化されたのだ。今回の新型コロナウイルスのようなパンデミックや災害は、いつ起こるかはわからないが、必ず起きるものであり、行政責任で維持し備えなければならない。

 公衆衛生分野にとどまらず、「大阪都構想」を御旗に、中身を精査せず行われてきた行政部門のリストラ・民営化。このまま進んでしまったら、ますます危機への対応が脆弱(ぜいじゃく)になり、府民の命を危険にさらしてしまう。

 私なりに内部でこのような手法に抗議した。そのスタートは、報道陣が取材している中、職員朝礼で当時知事だった橋下さんに異を唱えたことだ。一介の職員が日本中から注目されているトップにはむかうことは怖いことであるし、やりたくなかったが、…

この記事は有料記事です。

残り1240文字(全文2687文字)

大石晃子

衆院議員

 1977年生まれ。大阪府職員を16年間勤めた後、2019年統一地方選の府議選に無所属で立候補し落選。21年衆院選でれいわ新選組の公認候補として出馬、大阪5区で敗れたが、比例で復活当選した。比例近畿、当選1回。