守られない外国人の人権 必要な法整備

安田菜津紀・フォトジャーナリスト
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安田菜津紀さん
安田菜津紀さん

 今年9月22日、東京都内に住む南アジア出身のムスリム女性Aさんと長女が、警察から不当な聴取を受けたとして、都に計440万円の慰謝料などを求める訴訟を東京地裁に起こした。

 訴状や代理人弁護士らによると、今年6月1日、Aさんが近所の公園で3歳の長女を遊ばせていたところ、突然園内にいた男性B氏が大声を出して長女に近づき突き飛ばしたうえ、「(Aさんの長女に)息子が蹴られた」などと抗議してきたという。

 Aさんは「長女は蹴っていない」と一貫して主張したものの、B氏から「ガイジン」「在留カード出せ」などと詰め寄られた。たまたま通りかかって英語で通訳をした別の男性によると、B氏は遠くからも分かるほどの大声で、Aさんたちに対し「ガイジン生きている価値がない」「ゴミ」「クズ」等、差別言動を繰り返したという。

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安田菜津紀

フォトジャーナリスト

 1987年生まれ。認定NPO法人Dialogue for People 副代表。東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。著書に「故郷の味は海を越えて―『難民』として日本に生きる―」(ポプラ社、19年)、「写真で伝える仕事―世界の子どもたちと向き合って―」(日本写真企画、17年)、「君とまた、あの場所へ―シリア難民の明日―」(新潮社、16年)、「それでも、海へ―陸前高田に生きる―」(ポプラ社、16年)など。