なぜ女性は議員になれないのか

堤かなめ・衆院議員
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堤かなめ氏=北山夏帆撮影
堤かなめ氏=北山夏帆撮影

 選挙には日本の社会の矛盾が凝縮されている。

 選挙カーが午前8時から午後8時まで。候補がずっと乗っているわけではないが、出発の前の準備、帰ってきてからをあわせると最低でも14時間労働になってしまう。それが当然とされている。毎朝、午前7時から駅頭に立つならば、午前5時には起きて準備しなければならない。

ワークライフバランスどころか

 リベラル系で「ワークライフバランス」を訴えているのに、ものすごい長時間労働をしている。そしてやらなければ「とんでもない」と言われ、「命を懸けて戦う」、「最後は泣かなければ」というのが当たり前の世界だ。戦争を思わせるということで今は「出陣式」とは言わず、「出発式」というけれども、雰囲気は変わらない。

 私が最初に選挙に出たのは2010年の参院選(民主党、福岡選挙区)だったが、最初は一体、この世界はなんなのかと「ドン引き」した。家族の前で「もうできない」と涙を流したこともある。

 名前を連呼するだけの選挙カーや顔を見せるだけのポスターの公費負担はやめてはどうか。その代わりに公費で討論会を開催するべきだ。人柄がはるかによく分かるし、負担も少ない。

根強いジェンダーバイアス

 そして同じ事をしていても男性と女性では有権者から言われることが違う。男性なら腰が低いと言われるところで、女性は「頼りない」と言われる。男性なら貫禄があると言われるところで、女性は「偉そう」と言われる。議論をしても男性なら政策通と言われるところで、女性は「うるさい」と言われる。

 今の日本社会の反映である面もあるが、政治の世界では特にこのジェンダーバイアス、性別役割意識が強い。私はよく「ジュラシック・パーク」と言っている。日本にまだこんなところが残っていた。候補者の「妻」、「長女」というたすきがあって、選挙運動をすることが現実に行われている世界だ。

 これではとても外からは入ってこられない。2世や3世議員が増えているのも、これが理由の一つではないか。

この10年で明るい変化

 福岡県議に当選(11年初当選、3期)すると、上下関係が非常に厳しかった。…

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堤かなめ

衆院議員

 1960年生まれ。九州国際大学教授、九州女子大教授、福岡県議を経て、2021年衆院選で初当選。衆院福岡5区、当選1回。立憲民主党。