民主政治には立憲民主党の再生は急務

古賀伸明・元連合会長
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古賀伸明氏=内藤絵美撮影
古賀伸明氏=内藤絵美撮影

立憲に重い責任

 去る10月の衆院選で、予想だにしなかった100議席を切る敗北を喫した立憲民主党が、泉健太代表のもと再スタートした。党をどう立て直すか正念場であり、山積する課題を多く抱えながら、再生への道筋を模索していかなければならない。

 議席を減らしたとはいえ立憲民主党は、今でも自民党に次ぐ第2党だ。それだけに重い責任がある。衆院選を総括し、政権の選択肢として有権者に認められるにはどうすべきか、党再生のビジョンと具体策を提示する必要がある。

狭くなった支持層のウイング

 まず、立憲民主党は、どういう政治的立ち位置なのかを明確化することが求められる。今でも野党共闘を巡って、賛否の議論が続いている。

 私は先の衆院選の結果から、立憲民主党、国民民主党ともに、旧民主党と比較すると、支持層のウイングを狭めてしまったのではないかと思っている。「右・左」を議論する時代ではないとは思うが、立憲民主党は真ん中から左へ、一方の国民民主党は、そもそも知名度が低いことから他の野党との違いを出そうとして、逆に右に寄り過ぎ、両党が主張する、いわゆる真ん中(中道)が空いてしまったのではないか。

 そのような状態の中で、自公政権に対する批判票が流れたのが日本維新の会で、同党は衆院で第3党に躍進した。

中道寄りのジレンマ

 政権を担うのであれば、幅広く支持される国民政党にならなければならず、党の支持層のウイングを右でも左でもない中道層や一部の保守層に広げるべきだろう。

 しかし、中道志向と思われる泉代表が、中道寄りにシフトすれば、二つのジレンマに遭遇する。一つは、与党や維新、国民民主との差別化が難しくなるジレンマ。二つ目は、中道を志向すれば現有議席を与えてくれた支持層の一部は離れていく可能性が高いことだ。

 このジレンマを克服して本当に中道に向き合うことが可能か、党の総意はどうなのかなど、幅広く徹底した深い議論をリードすることが求められている。

何を目指すのか

 次に、新体制発足は、中長期的な国家ビジョンや再建策を練り上げる好機ととらえるべきである。

 野党第1党は政権を監視するとともに、自らも政権を担える実力を蓄えて緊張感をもたらす責任があるが、短期間に再編、離合集散を繰り返した結果、有権者にしてみれば政党イメージが定着する時間もなかったのが実情であろう。

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古賀伸明

元連合会長

1952年生まれ。松下電器産業(現パナソニック)労組中央執行委員長を経て、2002年電機連合中央執行委員長、05年連合事務局長。09年から15年まで第6代連合会長を務めた。現在は連合総研理事長。