政史探訪

岸田首相と「ナンバー2」の気になる関係

中川佳昭・編集編成局編集委員
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岸田文雄首相=首相官邸で2021年12月22日、竹内幹撮影
岸田文雄首相=首相官邸で2021年12月22日、竹内幹撮影

 岸田文雄氏が首相に就任して、はや2カ月が過ぎた。昨年(2020年)9月、菅義偉前首相に自民党総裁選で敗れた頃は「岸田は終わりだ」とささやかれたものだが、1年あまりで、本命視された河野太郎氏を撃破し、自民党総裁・首相の座に就いた。

 自民党名門派閥「宏池会」の首相としては、宮沢喜一氏以来30年ぶりとなるだけに、宏池会再興にボルテージも上がる。1カ月もたたぬうちに総裁選と衆院選を制した岸田氏は今後、政権基盤をどう固めようとするのか注目される。

岸田政権の行方を左右する林芳正外相

 衆院選でよもやの小選挙区敗北を喫した甘利明幹事長が辞任し、茂木敏充外相が甘利氏の後任の幹事長の座に就き、玉突きで茂木氏の後任外相には林芳正元防衛相が就任した。林氏は先の衆院選で、参院議員を辞職して、山口3区から出馬、同選挙区の河村建夫元官房長官を引退に追いやって初当選したばかりである。

 林氏の外相就任にあたっては安倍晋三元首相や麻生太郎副総裁(元首相)が反対する声を上げていた。林氏は長年、日中友好議員連盟会長を務める名だたる知中派であり、中国との微妙な関係の中での登用への異論だった。

 しかし、岸田氏は林氏の起用にこだわった。岸田氏の心中をよく知る政界関係者は「林さんが外相になって、首相の寝首をかくという見方もあるが、それは違う。重要ポストに就けて責任を持たせた方がいい、という考え方だ」と語った。

 宏池会政権で首相、外相ともに宏池会だった例は3例ある。元…

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中川佳昭

編集編成局編集委員

1962年生まれ。89年毎日新聞社入社。静岡、浜松支局、東京本社政治部。政治部では首相官邸、自民党(小渕、橋本派)、外務省などを長く担当。大阪本社社会部(大阪府庁キャップ)、政治部与党、官邸クラブキャップ、政治部副部長、同編集委員、社長室委員兼編集編成局編集委員などを経て2019年5月から編集編成局編集委員兼社長室委員。