日中国交正常化50年 逃れられない岸田政権 米中の狭間での日本

山崎拓・元自民党副総裁
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山崎拓氏=岡本同世撮影
山崎拓氏=岡本同世撮影

 2022年は日中の国交が正常化して50年を迎える節目だ。参院選が行われるため、内政や政局が注目されがちになると思うが、極めて重要な「外交の年」であることを忘れてはならない。

 米中という大国の対立が激化する中、そのはざまにいる日本の立ち位置や外交的な動きは国際的にも意味を持つものになるだろう。

決着していない習主席の国賓問題

 まず忘れてはならないのは、中国の習近平国家主席を国賓として迎えるかどうかの問題が宙に浮いたままだということだ。

 習主席の国賓としての訪日は、安倍晋三元首相が積極的だった。経済発展を続ける中国との関係を考慮したとみられるが、保守層を中心に反発も強かった。結局、新型コロナウイルス感染拡大の影響でうやむやになり、安倍氏が最終的な決断を迫られることはなかった。

 しかし、国交正常化50年という節目となると話は別だ。中国は歴史的な節目を大事にする。50周年の記念行事の中、中国からの訪日圧力は強まるだろう。オミクロン株の登場などまだ予断は許さないが、感染拡大が下火になれば、岸田政権は習主席の訪日を国賓として迎えるかどうか、判断を迫られることになる。

中国を巡るリスク

 国際的なリスクもある。バイデン米大統領が主催した民主主義サミットに中国を招待しないなど、対中国への態度を硬化させている。特に新疆ウイグル自治区をはじめとする人権問題については、欧米諸国からの非難は強まるばかりだ。現時点で習主席を国賓とするのは、国際世論の納得を得るのは難しいかもしれない。

 さらに訪日が実現すれば当然、首脳会談が開催される。訪日が実現せずとも、正常化50年という節目であり、オンラインで行われる可能性もあるだろう。

 経済的につながりが深くなっている中国だが、政治的には大きな火種を抱えている。中国の南シナ海への進出は日本のシーレーン(海上交通路)の安全を脅かしているし、中国海警局の船舶が尖閣諸島周辺の領海に侵入する事案も相次いでいる。中国を巡る人権問題も避けては通れないだろう。

 さらに米中対立が状況を複雑にしている。日本は米国の同盟国で、米国の核抑止力による安全保障体制に組み込まれており、日米同盟堅持は絶対だ。

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山崎拓

元自民党副総裁

1936年生まれ。福岡県議などを経て72年衆院選で初当選し、防衛庁長官、建設相、自民党幹事長、党副総裁などを歴任。98年には近未来政治研究会(現石原派)を結成した。当選12回。2009年衆院選で落選、現在は近未来政治研究会の最高顧問。