民主党政権の反省生かし 日本を立て直す基軸に

吉良州司・衆院議員
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吉良州司氏=北山夏帆撮影
吉良州司氏=北山夏帆撮影

民主党政権は政権運営が未熟だった

 2021年10月の衆院選で当選した無所属議員5人で衆院会派「有志の会」を結成した。

 有志の会メンバーは、先の総選挙で、無所属で自民党候補と戦い、勝ち上がってきた無所属議員だけの会派だ。私は現職だったが、私以外の4人の気概がすごいのは、浪人中にもかかわらず、信念を貫くために他の野党からの公認要請を断り、あえて比例復活もない無所属で臨み、見事に勝ち上がってきたことだ。

 財務省出身で大人中の大人、北神圭朗、外務省出身で博識・頭脳明晰(めいせき)この上ない緒方林太郎、経済産業省出身で幅広い分野に精通する福島伸享、現職の医師としてコロナ禍の医療と向き合ってきた仁木博文、自分は世界中を飛び回ってきた元商社マンと、多士済々、個性豊かな議員の集まりで、みな民主党政権時代に活躍していたメンバーだ。

 当時の民主党政権について、世間的にはほぼ全面否定されているが、我々は是々非々で評価している。

 人に例えれば、当時の自民党は54歳の壮年期で、一番脂の乗った経験豊かな世代だ。それに対して民主党はまだ14歳の中学生だった。政権トップの目を覆うばかりの言動の問題に加え、経験不足からくる政権運営の未熟さ、稚拙さは認めざるを得ない。

子育て支援を明確化した実績は評価を

 一方で、政権交代しただけあって、自民党政権とは異なる優先順位を示した。優先順位の一番は人への投資、中でも子育て支援重視を明確に打ち出した。自民党政権は、もともと業界からの献金と票による支援への見返りとして、業界から要望された予算配分と法律制定を実現しようとする政権だ。民主党政権はその逆だ。内閣が一丸となって最優先政策「チルドレン・ファーストの象徴」である「子ども手当」の財源捻出に取り組んだ。第2次安倍政権の幼児教育無償化、高等教育の無償化・負担軽減化、子育て支援、全世代型社会保障などの政策は、ほとんど民主党政権時代の政策だ。

 税と社会保障の一体改革では、社会保障の充実、財政健全化、将来世代への負担軽減のため、将来不安をなくすため、落選のリスクを覚悟の上で消費税増税をお願いした。その志を国民に理解していただきたい。消費税の使途対象が社会保障に限定されている中、子育て支援を社会保障の中に組み入れたことは歴史的意義がある。

 民主党政権が全面否定されることは極めて残念で、政権運営の稚拙さは首肯するものの、当時は誰がやっても大変な状況だった。麻生太郎政権に続いて民主党政権もリーマン・ショックの打撃を最も強く受けた時期だった。それを必死で改善しようとしていた矢先に東日本大震災に襲われた。菅(直人)政権の責任でもあるが、参院選で参院の過半数を失い、衆参ねじれ状況に陥ったことも、第1次安倍晋三政権、福田康夫政権、麻生太郎政権と同様に、政権運営を過酷にした。

 いまだに世間では、野党と言えば日米同盟や自衛隊に否定的だというイメージが残っているが、ベルリンの壁崩壊、ソ連崩壊後は、55年体制時のような社会主義を志向する野党は少数であり、国家の基軸は自民党と変わらない…

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吉良州司

衆院議員

 1958年生まれ。2003年衆院初当選。外務政務官、副外相などを歴任。衆院大分1区、当選6回。