寅年に聞く

苦しかった東京維新の10年 地道に政策で積み上げる

柳ヶ瀬裕文・日本維新の会総務会長
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柳ヶ瀬裕文氏=須藤孝撮影
柳ヶ瀬裕文氏=須藤孝撮影

 10年近く、東京維新の会をやってきたが、東京でも日本維新の会への見方はずいぶん変わってきた。吉村洋文大阪府知事が、高い発信力をもってコロナ禍に対処する政治の姿を見せることができた。我々は提案する政党だと言ってきたが、そのことが吉村知事の実行力と重なって期待されたと思う。

 先の衆院選では東京にも吉村知事に応援に来てもらった。有楽町での演説でもこれまでは維新の演説では立ち止まってくれなかった若い女性も話を聞いてくれた。「大阪の政党」というイメージが変わる第一歩を踏み出したと感じた。

現実的な回答が求められている

 国民は反対のための反対のような生産的ではないことをやっている余裕はないと感じている。苦しい生活のなかで、現実的な回答を示してほしいと思っている。だから我々は政府を徹底して批判すると同時に、対案を出して現実的な解を示す。とにかく政権を倒せばいいということでは理解されない。

 自分自身も民主党で大田区議、東京都議を経験し、政権交代をすることが日本を救うことになると固く信じていた。政権交代を実現するために死ぬ気でやってきた。しかし、政権交代してみると、結局は民主党にもしがらみがあった。労働組合だけではなく、政権に就いてからは医師会や歯科医師会など多くの業界団体と接近した。自民党へのルサンチマンがあったから、政権を取ったら、自民党と同じようなことをやりはじめた。

 そのなかで維新は大阪でしがらみと闘っている。民主党を離党して維新の「東京支社」を立ち上げたのが東京維新の会のはじまりだ。

苦しい10年

 一方で維新もこの10年は離合集散に加わってきた。結いの党との合併や、分裂などもあり、特に東京では維新がどういう党なのか、有権者にはよくわからなくなってしまった。安定してきたのはここ5、6年だ。苦しい10年でもあった。いろいろあったことを経て、結局はピュアな政策で判断しなければならないということを学んだ。

 組織を発展させるためには人が、それも優秀な人が必要だ。2019年参院選東京選挙区での音喜多駿参院議員も、当選はしなかったが20年都知事選での小野泰輔氏(現衆院議員)も、いずれも東京の維新としては予想以上の票を得ることができた。

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柳ヶ瀬裕文

日本維新の会総務会長

 1974年生まれ。大田区議、東京都議を経て、2019年参院初当選。党総務会長。比例代表、当選1回。日本維新の会。