寅年に聞く

多様性と人権の社会を 女性政治参画、人道支援などできることから

中川正春・元文部科学相
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中川正春氏=岡本同世撮影
中川正春氏=岡本同世撮影

 私が政治家として目指しているのは多様性と人権が尊重される社会だ。多様性の価値観が広がれば自分らしい人生を過ごしやすくなり、そのためには人権の尊重が不可欠となる。多様性と人権は隣り合わせで、深めていかねばならないものだ。

 2021年の衆院選に続き、22年も参院選がある。永田町では政局が主な話題になってしまうかもしれない。もちろん、政策実現のために自分の政党の支持率を上げようとしたり、選挙に勝つために全力を尽くしたりするのは重要だが、多様性と人権は政治的なキャンペーンに利用するようなテーマではない。政治的な思惑ではなく、日本の基本的な政策として与党との協力のもと少しでも前進させたい。

理念法の限界とクオータ制

 まず、多様性の第一歩として力を入れたいのが女性の政治参画だ。女性議員が増えれば、子育て環境、働き方改革など男性議員に足りなかった視点で政策立案ができ、予算付けもできる。これらが社会に反映されれば、男性も育休、産休、時短勤務が当たり前になり、男性にとっても女性にとっても自分らしい生き方ができる環境に近づくはずだ。

 だが、実現は難しい。21年の衆院選は、男女の候補者数を均等にするよう各党に努力することを求めた「政治分野における男女共同参画推進法」の施行後、初めての衆院選だった。しかし、女性候補の割合は前回とほぼ横ばいの17.7%と2割にも満たないまま。当選者数でいえば、前回より2人少ない45人、9.7%と1割以下だ。

 推進法は努力を求めるいわば理念法であり、理念だけでは限界があることを示した格好になってしまった。状況を打開するためには、候補者数や議席の一定数を女性に割り当てるクオータ(割り当て)制の法制化を目指す取り組みを強めていくしかないだろう。

女性議員を増やすための取り組み

 クオータ制というと「最初から女性の当選枠を決めておく」というイメージが強いが、幅は広くやり方はさまざまある。例えば、衆院選の比例代表では男女でグループ分けし、そのグループ内で小選挙区の惜敗率順で順位をつけて交互に選ぶようにするという案や、比例の名簿1位は必ず女性にするとういう案などアイデアは多い。知恵を絞りながら、実現を目指していきたい。

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中川正春

元文部科学相

1950年生まれ。三重県議をへて、96年衆院初当選。副文部科学相、文科相、防災、少子化、男女共同参画担当相などを歴任。党憲法調査会長。比例東海、当選9回。立憲民主党。