寅年に聞く

「徹底ローカル」地域の持続可能性に立脚する

嘉田由紀子・参院議員
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嘉田由紀子氏=佐々木順一撮影
嘉田由紀子氏=佐々木順一撮影

 参院議員であると同時に、「チームしが」という地域政党の代表を務めている。

 中央では政党の主義主張、もっと言えばイデオロギーで政策が選ばれがちだ。しかし地域にはそれぞれの住民の思いがある。たとえば原発問題でも、滋賀県は県内に原発はないが、福井県の「原発銀座」の30キロ圏内にかかっている。しかも風下の季節が多い。事故があれば死活問題だ。国会で「エネルギー問題」を議論しているのとは受け止め方が違う。

 国政政党の論理で地域に指図してほしくないとずっと言ってきた。

コミュニティーの継続性が原点

 琵琶湖湖岸の村むらは古代の律令時代から山から水を引き、神社をつくり、人が暮らし続けてきて今がある。地域ごとにそれぞれの自然に即した歴史がある。日本の地域社会は非常に継続性がある。

 滋賀県知事選に初めて出馬した時(2006年)は「ここはいつごろ水道がきた」「そのころはホタルがいたはずだ」と、地域ごとに違う話をしながら、地域の継続性の大切さを訴えた。そのことが、既成政党が相手候補を支援するなかで、私が支持された理由のひとつだと思う。

 地域と人には時間的、地域的な蓄積がある。当時はそうした言葉はなかったが、今で言う「持続可能性」だ。それからずっと「徹底ローカル」でやってきた。これが私の原点だ。

 滋賀に「連合発祥の地は滋賀」というエピソードがある。兄が公務員で総評、弟は企業で同盟。お父さんが「同じ働くものなら一緒になれ」と言ったと。つまり、地域や家族というコミュニティーのなかでは課題は一つだ。それはコミュニティーの強さをいかに維持するかだ。東京で「官公労だ、民間だ、立憲民主党だ、国民民主党だ」と労働運動している人にはわかりにくいことかもしれないが。

 政治は未来をつくる。我々が今、何かを決めたら子や孫に強い影響が残る。中央の政党の言うことに惑わされず、地域の継続性に立脚して考えるべきだ。本当に地域を、滋賀なら琵琶湖を守りたいのかどうか。子や孫に何を残したいかを考えるべきだ。

野党がまとまることをあきらめない

 今の日本の政治には大きな問題が二つある。一つ目は圧倒的に強い与党が、公文書の改ざん、廃棄など民主主義の原点を壊してやりたい放題をやっている。これを止めるには、小さな違いを乗り越えて与党に対抗できる勢力を作り、有権者の選択肢を増やさなければならない。

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嘉田由紀子

参院議員

 1950年生まれ。滋賀県職員、琵琶湖博物館学芸員、京都精華大学教授を経て、2006年滋賀県知事に初当選し、14年まで2期務めた。19年参院初当選。地域政党「チームしが」代表。参院滋賀、当選1回。無所属。