官僚に「無視」される岸田政権

森永卓郎・経済アナリスト、独協大学教授
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森永卓郎氏=藤井太郎撮影
森永卓郎氏=藤井太郎撮影

「聞く力」が高支持につながる

 岸田内閣が高支持率を続けている。毎日新聞と社会調査研究センターが昨年12月18日に行った全国世論調査では、岸田内閣の支持率が54%と、11月13日の前回調査の48%から6ポイント上昇した。1月22日の調査でも52%と堅調だった。

 高支持率の一番大きな理由は、岸田文雄首相が掲げる「聞く力」を国民が評価しているからだろう。安倍政権や菅政権の時にやっていた官邸主導を改め、世論や自治体の声に耳を傾けることによって、柔軟に政策を変更していくという姿勢が評価されたのだ。

 典型的な事例は、18歳以下に10万円相当を給付する未来応援給付だ。当初は、半額の5万円分はクーポンにする予定だった。ところが、クーポンを発行すると時間がかかる上に事務経費が970億円もかかるといった批判が高まり、国民のなかでも「クーポンよりも現金がよい」という声が大多数を占めるなかで、岸田首相は臨時国会であっさりと「全額現金給付を容認」に方針転換した。

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森永卓郎

経済アナリスト、独協大学教授

1957年生まれ。日本専売公社、経済企画庁、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)などを経て独協大経済学部教授。専門はマクロ経済、計量経済、労働経済。コメンテーターとしてテレビ番組に多数出演。著書に「年収300万円時代を生き抜く経済学」(光文社)など。