ロシア軍と戦うウクライナ人の気迫と祖国愛

森英介・元法相
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森英介氏=宮武祐希撮影
森英介氏=宮武祐希撮影

 1995年に発足した日本・ウクライナ友好推進議員連盟に当初から関わり、2011年から会長を務めている。ゼレンスキー大統領をはじめ、多くのウクライナ要人と会ってきた。

「ならず者国家」になったロシア

 日本はウクライナ支援でできる限りのことをしている。バイデン米大統領も言っているように、選択肢は二つある。一つは制裁であり、もう一つは世界戦争だ。

 ウクライナには北大西洋条約機構(NATO)などに対して、もっと強く出てほしいという思いがあるだろう。だが米国とロシアが本格的に対決すれば第三次世界大戦になってしまう。それを回避しつつ、なんとしてもロシアを撤退させなければならない。

 ロシアはある意味で北朝鮮よりもたちが悪い。覇権主義を実行できる力を持った常任理事国が「ならず者国家」になってしまった。

「ウソばかり」のプーチン氏

 私が期待しているのは、ロシアの国民だ。プーチン大統領の暴挙に対して立ち上がってもらいたい。「プーチン氏はもう負けている」という言い方がある。

 ウクライナがどうなろうと、プーチン氏はヒトラーのような侵略者として、未来永劫(えいごう)、歴史に名前を刻印された。この戦争に勝ったとしても、ロシア国民はそのような指導者を受け入れるだろうか。私はそうは思わない。

 プーチン氏はウソばかりついている。ロシアとウクライナは一つの民族であるかのようなことを言う。たしかにドネツク州やルガンスク州には親露派もいる。しかし、両州がウクライナから分離して独立を求めているなどという話は聞いたこともない。

 またプーチン氏はウクライナがNATOへの加盟を求めていることで軍事同盟の側面を強調するが、ウクライナが本当に望んでいるのは欧州連合(EU)への参加だ。自由と民主主義、そしてそれに伴う経済的な繁栄を望んでいる。独立国としてその望みをかなえることに、どこに問題があるのか。

 私のようにウクライナのことを知っている者から見ると、プーチン氏は国際社会をだまそうとしているようにしかみえない。それだけプーチン氏は追い詰められているとも言える。

ウクライナ人の気迫と祖国愛

 当初、すぐにでも陥落するとみられていたキエフががんばっているのは、士気の違いだ。ロシアの兵士には自分たちの大義などなにも感じられないだろう。一方、ウクライナは独立を守るために必死になっている。戦力比がいかに大きくても、ウクライナの人たちの気迫と祖国愛がロシア軍をおしとどめている。

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森英介

元法相

1948年生まれ。90年衆院初当選。副厚生労働相、法相、自民党憲法改正推進本部長などを歴任。衆院憲法審査会長。日本・ウクライナ友好推進議員連盟会長。衆院千葉11区、当選11回、自民党麻生派。