核シェアリング 日米同盟を実効化する日々の努力を

猪口邦子・元少子化担当相
  • 文字
  • 印刷
猪口邦子氏=内藤絵美撮影
猪口邦子氏=内藤絵美撮影

 核シェアリング(核共有)については岸田文雄首相が明確に否定している。岸信介元首相は政権を賭して英明な判断をし、安保条約を改定し、米国に日本の防衛義務を課すという偉業をなしとげた。米国は、核の傘(拡大抑止)のもとで日本を防衛する。核シェアリングはそうした日米同盟関係を不安定にする恐れがある。

「デカップリング」の不安

 欧州の核シェアリングの背景には「デカップリング論」がある。核抑止は、米露(米国と旧ソ連)の大陸間弾道弾による相互抑止が基本にあるが、短距離核、中距離核ミサイルが開発された際に、欧州正面でのみの米ソ本国と切り離された(デカップリング)核戦争の可能性が議論されたことがある。デカップリングとは、欧州の運命と米国の運命を切り離すという意味だ。

 欧州には本当に核攻撃をされた場合、これを抑止するだけの本気度が米国にあるのかという不安が潜在的にある。日米関係にそのような不安を持ち込むべきではない。

日本の核戦略の水準は

 もう一つの問題点は、核シェアリングは核兵器の発動の決定権を日本も持つことを意味する点にある。…

この記事は有料記事です。

残り589文字(全文1049文字)

猪口邦子

元少子化担当相

1952年生まれ。上智大法学部教授、軍縮会議日本政府代表大使などを経て、2005年衆院初当選、10年参院初当選。参院千葉、衆院当選1回、参院当選2回。自民党麻生派。