
ロシアのウクライナ侵攻は国連憲章に対する明白な違反だ。民間人の殺害が報道されており、国際人道法に反する戦争犯罪でもある。さらに核兵器で脅した。国連憲章、国際人道法、核の脅しという三重の違反をしている。
日本共産党は軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の拡大には反対だが、NATOに加盟するかどうかはウクライナの主権に関わる問題だ。NATOに加盟させないなどと言って戦争を起こすことなど断じて認められない。
破綻した核抑止
ロシアのプーチン大統領は、核兵器を使う準備があると発言し、核戦争を自ら示唆した。核兵器の保有は、いざとなったら核兵器を使うということだった。国際法を無視し自国民の犠牲もいとわない国が核兵器を持つと、人類全体を脅威に陥れることが明白になった。
今回のことで、核抑止の考え方がいかに危険かが示された。核兵器の脅威を取り除くには核兵器廃絶しかない。日本政府は核抑止力は必要だと主張するが、いまやその破綻ははっきりした。
岸田文雄首相は核兵器は非人道的であり、絶対に使ってはならないと言う。ならばいまこそ、核が使われた時にどれだけの犠牲をもたらすかを、日本は被爆者とともに世界にアピールすべきであり、核兵器禁止条約の批准も真剣に検討する時だ。
戦争の本当の姿
ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊で多数の民間人の遺体が見つかった。ロシアは軍事施設だけを攻撃していると主張するが、武力で相手を言いなりにしようとする時に軍事施設だけで終わるわけがない。女性も子どもも巻き込まれていく。子どもが避難した学校も劇場も、病院も攻撃された。これが戦争の本当の姿だ。
同時に、ジュネーブ条約などで、たとえ武力衝突が起きてもやってはならない行為がある。今回、ロシアが行ったことについては戦争犯罪として徹底的に裁かれなければならない。
防弾チョッキを支援する必要はない
防弾チョッキなど防衛装備品の提供という軍事支援には反対だ。ウクライナのゼレンスキー大統領が国会で演説した際にも非軍事の方向での支援要請だった。駐日ウクライナ大使は日本の憲法9条を踏まえた演説だったと述べている。
それぞれの国がそれぞれの役割を果たしていくべきであって、日本は戦争をしない国として、軍に対する支援は行うべきではない。今回、紛争当事国へは防衛装備品の移転はしないという政府のルールにさえ穴を開けたことは重大だ。
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