ロシアに「日本を攻められる」と思わせない

和田義明・衆院議員
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和田義明氏=須藤孝撮影
和田義明氏=須藤孝撮影

ステージが変わった

 ロシアはウクライナ侵攻後、北方領土で軍事演習を行った。納沙布岬などからは夜間演習の閃光(せんこう)が見える。北海道、特に道東地方の人たちはとても不安な思いをしている。

 冷戦終結まではソ連に面する北海道が国防の最前線だった。冷戦終結後も脅威がなくなったわけではないが、政府の判断として中国の脅威に対応するために南西諸島方面にシフトしてきた経緯がある。

 極東ロシア軍の部隊数は冷戦時代に比べれば減っている。しかし、たとえば極東に配備されている核ミサイル搭載原子力潜水艦は3隻のうち2隻が最新型に更新されている。最新型の地対空ミサイル、地対艦ミサイル、戦闘機も配備され、北方領土の兵士も増強されている。

 ウクライナ侵攻でステージが変わった。冷戦時代と同様か、それ以上のリスクがあると認識しながら北海道の防衛体制を考えなければならない。

事態を起こさせないことが最善

 もっとも日本の防衛力には限りがある。難しい問題だが、今までの延長ではなく、一から積み上げる議論が必要だ。北海道も中途半端、南西諸島も中途半端ではいけない。安価な無人機や、攻撃型も含めたドローンなどの活用で工夫しなければならない。また、強固な抑止に資する反撃能力があることを見せておくことも重要だ。

 ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席に、日本を攻めて勝てると絶対に思わせないことだ。「小競り合い」でも紛争が起きれば止めるのが困難になる。揺るぎない抑止力で「攻められる」と思わせないことが結局は一番、平和への近道になる。

日米同盟をその都度確認する

 もちろんウクライナとは異なり、日米同盟がある。しかし、同盟は繰り返し確認が必要だ。表には出せなくとも、首脳間で一定のシナリオを想定して、ことあるごとに確認をしておく。特に米国の「核の傘」(拡大抑止)については、台湾有事、北方正面での衝突、尖閣諸島(沖縄県)での衝突などのシナリオをベースに常に確認し続けなければならない。

 ウクライナには米国と英国、ロシアが安全を保障したブダペスト覚書があった。しかし、多くの国が支援しているとはいえ、現在、実際に戦っているのはウクライナの兵士だけだ。この経緯を見ても「日米同盟があれば安心」というわけにはいかない。

 国際政治のなかでは、同盟も約束も、核心的利益があるかどうかで簡単に変わってしまう。米国にとって日本が核心的利益であるかどうかを常に確認しておかなければならない。

外交は可能な限り厳しく

 ロシアにとっては「戦時下」だが、こうした時もコミュニケーションを保つことは基本だ。…

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和田義明

衆院議員

 1971年生まれ。商事会社を経て、2016年衆院初当選。自民党外交副部会長、内閣府政務官などを歴任。党遊説局長、国防副部会長。衆院北海道5区、当選3回。安倍派。