防衛費2%「枠ありき」の先にある無駄遣いの危険

渡辺周・元副防衛相
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渡辺周氏=須藤孝撮影
渡辺周氏=須藤孝撮影

 主権国家として自衛のための手段を持つことは当然だ。しかし、自民党がまとめた「反撃能力」の保有を政府に求める提言には対象に「指揮統制機能等」が盛り込まれている。

 大統領府や国防省などの首都機能に対する攻撃も含まれることになる。これでは歯止めのない軍拡競争になる。

潜水艦戦力の増強を

 「敵基地」というが、日本を攻撃する拠点はどこを想定しているのか。潜水艦からの海中発射などを考えれば無限にある。能力に能力で応えていくと、青天井で予算をつぎ込むことになる。相手の能力を超えなければならないと考えると「核対核」にまで行きつく。

 「自衛のための必要最小限度」という枠を守ったうえで、サイバー攻撃なども含め、相手の攻撃能力と意図を喪失させる技術開発を考えるほうが効果的だ。

 具体的な例として潜水艦戦力を挙げたい。日本の潜水艦は21隻しかない。ロシアが日本海で潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験をする。東シナ海には中国の原潜がいる。それらを追尾して情報収集し、日本を攻撃するようなことがあれば、潜水艦が防ぐ。日本の潜水艦技術は高い。さらに技術を高め、増強することが現実的な自衛力強化になる。

米国の軍事産業は狙っている

 自民党は防衛費について国内総生産(GDP)比2%以上を目指すよう提言し、岸田文雄首相は日米首脳会談で「相当な増額」を約束した。しかし、副防衛相を務めた経験からいっても、日本はあまりにも米国に都合のいい条件で防衛装備品を購入してきた。

 米国に言われるままに買っていたら大変なことになる。…

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渡辺周

元副防衛相

 1961年生まれ。静岡県議を経て、96年衆院初当選。副総務相、副防衛相、国民民主党副代表、立憲民主党幹事長代行などを歴任。衆院比例東海、当選9回。立憲民主党。